ロッテの高卒2年目19歳の木村優人が22日の西武戦、またも試合の流れを変える素晴らしい投球を披露した。
0-1の6回に先発・石川柊太の後を受けてマウンドに上がると、先頭の平沼翔太に3ボール0ストライクとしたが、148キロのストレートで見逃し、148キロのストレートで空振りを奪い3ボール2ストライクとすると、6球目の151キロのストレートで左飛。続くネビンに対しても3ボール2ストライクとしたが、6球目の150キロストレートで二ゴロで2アウトとし、セデーニョを三ゴロで危なげなく三者凡退に片づける。
直後の6回裏に同点に追いつくと、2イニング目となった7回は先頭の外崎修汰に四球を与え、今季9イニング目にして初めて走者を許したが、この後も冷静だった。続く野村大樹に送られ、得点圏に走者を背負うと、代打・栗山巧を149キロのストレートで空振り三振、さらに代打・中村剛也を150キロのストレートで投ゴロで無失点。
この日も2回・34球を投げ、0被安打、1奪三振、1与四球、無失点で、初登板から5試合・9イニングノーヒットピッチングを継続している。
◆ プロ初登板から5試合・9イニングノーヒット投球
木村は今季初勝利を目標に掲げ、プロ初登板となった3月30日のソフトバンク戦、4-4の7回に登板し1回を無失点に抑え、直後の8回に勝ち越しプロ初勝利を挙げ、早々に目標を達成した。
今後の目標について「初勝利を挙げられたので、これからどんどん投げる機会をいただけると思うので、任されたイニングを0で抑えられるように。初登板した次の登板が大事になると思うので、満足することなく腕を振りたいと思います」と話し、プロ2度目の登板となった4月4日の楽天戦も3回パーフェクトリリーフだった。
「初登板から体の状態が維持できるように調整してきて、マウンドで現れているので、体の状態も今出ている気持ち面もそうですし、そういうところがいいかなと思います」。
22日の西武戦で初めて四球を与えたが、ほとんど走者を出さずに抑えられていることに関して、「任されたイニングは0で抑えたいという気持ちが第一としてあるので、そこの気持ちをしっかり作ってマウンドに上がれているので、そこが良いかなと思っています」と自己分析。
制球が良い要因については「体の状態もいいですし、体重移動がスムーズにできているというのが一番にある。グローブの位置だったり肩の位置だったりがいい状態でできている。そこが一番良いのかなと思います」と説明した。
学生時代から制球が安定していたのか訊くと、「悪い方ではなかったと思うんですけど、それ以上にプロに入ったらバッターと対戦して、よくなっていったという感じですね」と教えてくれた。
一軍で5試合・9イニングを無失点に抑え、現時点ではマリーンズのブルペンに欠かせない存在になっている。「真っ直ぐもそうですし、カットボール、スライダーもそうですけど、少しは通用していると思うので、そこに自信を持って投げたい部分とまだまだ空振りを取りたい部分があるので、そこをしっかり突き詰めてやっていきたいと思います」と自信を深める。
「任されたイニングは0で帰って来れるように。マウンドに上がったら責任を持って任されたイニングを最後まで投げ切るくらいの気持ちで。気持ちを抜かずに全力でバッターに向かっていきたいと思います」。一軍のマウンドで成長する右腕がこの先、どんな投球を見せてくれるのか、どんな成長曲線を描くのか非常に楽しみだ。
取材・文=岩下雄太