「安定して投げられていると思います」。
ロッテの育成4年目・田中楓基はここまで、5試合・7イニングを投げ、1勝0敗、防御率1.29と安定した投球を見せる。
今季初登板となった3月23日の西武二軍戦から3試合連続で1イニングをノーヒットに抑える投球を披露。2イニングを投げた4月20日のヤクルト戦で今季初失点を喫したが、4月22日のオイシックス戦では2回を無失点に抑えた。
今季の田中楓はストライク先行で投げられている登板が多い。その要因について「投手有利なカウントを一番意識しているので、その結果そうなっているのかなと思います」と分析する。
石垣島春季キャンプでは制球を良くするために「キャッチボールだったり、細かい練習のところで安定性が出るようにという練習をしています」と話していたが、現在も「基本的にしっかり立つであったり、体重移動をしっかりしてやるというところを反復してやっている感じです」と明かした。
ストレート中心の投球が目立つのも今季の特徴のひとつ。4月5日のDeNA二軍戦は1回を10球投げたがそのうちストレートが6球、4月11日の西武二軍戦も1回を14球投げたがそのうち10球がストレート、4月22日のオイシックス戦も2回・36球のうち実に28球がストレートだった。本人に確認すると、「結果的にストレートが多くなっているという感じだと思います」とのことだ。
1月の自主トレ中に、ストレートについて「良い感覚」と話していたが、現在も「球速もそれなりにいい感じで投げられているので、悪くないと思います」と好感触。
最大の武器であるスライダーに関して、「まだまだ改善点は自分の中で直したいところが結構あるので、そこは投げながらですけど練習しています」と教えてくれた。
スライダーと共に、武器にしていきたい落ち球の変化球はここ数年課題にしており、1月の自主トレ期間中には「良い感覚だったので、思った以上に良いデータが出たなと思います。意外と良い感覚だったなと思います」とチェンジアップを練習し、2月の石垣島春季キャンプでのライブBPでも「悪くはなかったんですけど、初めて実際にバッターに投げてみて、もう少し精度というか、変化量が必要かなと思います」と話していた。
シーズンが始まってから落ち球の変化球としてフォークを投げているが、スライダーに比べると割合は少ない。ただ、「結構使えるんじゃないかなという感触があるので、投げている数は少ないですけど、大事なところで使っていきたいなと思います」と手応えを掴む。
一歩ずつではあるが毎年成長した姿を見せる田中楓基。「結果が全てな年齢だと思うので、結果を出していきたいと思います」。支配下選手登録を掴むため、結果にこだわっていく。
取材・文=岩下雄太