ロッテの藤原恭大は10日の西武戦、3安打の固め打ちで打率を.301とした。
『1番・センター』で先発出場した藤原は、0-0の初回の第1打席、先発・今井達也が投じた初球のストレートをセンター前に運ぶと、一死後、佐藤都志也の打席中に二塁盗塁を決め、今季初盗塁をマーク。
0-4の6回一死走者なしの第3打席は、2ボール2ストライクと追い込まれながらも、今井が投じた5球目の153キロストレートを再びセンター前に弾き返し、5月最初の複数安打を達成。
0-7の9回無死走者なしの第4打席には、田村伊知郎が1ボール2ストライクから投じた4球目のストレートをセンター前に、3本目となる安打。4月27日の日本ハム戦以来の猛打賞となった。
藤原はプロ6年目の昨季、試合前の練習でルーティンを確立し、好不調の波を小さくし、規定打席に到達しなかったが、打率.290をマーク。
今季も開幕から1ヶ月が経過したが、「調子は悪いけど、なんとか頑張っているという感じですね」と好不調の波が小さくなっている。
4月13日の取材で藤原は「打ち方であったり、メカニック、引き出しは確実に良くなっているので、去年もある程度数字を残せたので、波は少なくなっているなというのは確実にありますね」と“引き出し”が増えたことが好不調の波が小さくなった要因のひとつに挙げていたが、“引き出し”を増やしたことでの打席内でどんなメリットが出てきたのか5月5日の試合前練習後の取材で訊くと、「悪いなりにヒット、四球が出ているので良いのかなと思います」と自己分析。
藤原が話すように、今季はスタメン出場してノーヒットだったがゲームが9試合あるが、そのうち5試合で四球を選び出塁している。打って塁に出るだけでなく、四球で出塁するのが今季の藤原の特徴のひとつといえる。
また、2ストライクと追い込まれてからノーステップ打法で打つスタイルを昨季から行っているが、今季は0ボール2ストライクからの打率が.500(6打数3安打)、1ボール2ストライクの打率が.444(18打数8安打)と追い込まれてから打者が圧倒的に不利になるがきっちり数字を残す。
3安打した4月27日の日本ハム戦は、0-0の初回一死一塁の第1打席、金村尚真が2ボール2ストライクから投じたストレートを右中間に適時三塁打、4-2の5二死二塁の第3打席、金村が1ボール2ストライクから投じた外角のストレートを軽く合わせた形のセンター前に適時打、5-2の7回一死一塁の第4打席、柳川大晟が1ボール2ストライクから投じた5球目のカットボールをライト前に安打と、いずれも2ストライクと追い込まれてから放った安打。
一昨年までのように強引に引っ張った右中間への安打ではなく、本人も「いいと思います」と振り返ったコンパクトなスイングで打ったのも良かった。
打線が苦しい中で、藤原は外野のレギュラーポジションを掴もうと存在感を示す。「やれることをやって、内容にこだわって。そのあと結果がついてくると思うので、自分のバッティングをしていけたらなと思います」。シーズン通して好不調の波を小さく過ごすことができた時、藤原が目標に掲げる規定打席到達が見えてくる。
取材・文=岩下雄太