ロッテの高野脩汰が、日に日にその存在感を高めている。
1-1の7回に登板した11日の広島戦は1回1失点と悔しい登板となったが、連投となった12日の広島戦は、4-4の7回に登板し2回をパーフェクトリリーフ。
1イニング目の7回、先頭の野間峻祥を2ボール2ストライクからフォークで空振り三振に仕留めると、続くファビアンを4球連続フォークで1ボール2ストライクとし、最後は5球目の145キロストレートで空振り三振。
相手打者がフォークを意識している中で、ストレートでファビアンを空振り三振に仕留めた場面について高野は「あれは寺地の采配というか、寺地に任せた結果のアレなので、僕の手柄というよりかは、寺地です」と19歳の寺地隆成捕手のリードに感謝した。
三者凡退に抑えると、その裏、寺地の適時内野安打で勝ち越し。5-4となった8回は小園海斗を一ゴロ、坂倉将吾を空三振、大盛穂を遊飛に打ち取った。2回を無失点に抑えた高野は2勝目を手にした。
17日の阪神戦も0-1の5回に登板し、1イニング目の5回はランナーを三塁まで進められたが、中野拓夢を2ボール2ストライクから131キロのフォークで空振り三振に抑え、ピンチを脱す。2イニング目となった6回は3番・森下翔太から始まる打順も、森下を中飛、佐藤輝明をフォークで空振り三振、大山悠輔をストレートで空振り三振と3人で片付け、直後の7回表に打線が3点を奪い逆転し、2回を無失点に抑えた高野が3勝目を挙げた。
「場面も痺れるところで投げさせていただいたりとか、ビハインドでも2イニング行かせていただいたりしているので、登板できる場所が多いというのは経験値になります」。
◆ フォーク
高野の投球を支えているのが、チェンジアップのような独特な軌道を描くフォークボール。今季22三振を奪っているが、そのうちフォークでの奪三振は18。特に左打者にそのフォークが冴え渡っている。
「右、左自分は得意不得意ないので、上から投げ下ろすのもありますし、左の方がより苦手意識を持ってくれているのかなというのはありますが、自分の中でもどちらも変わらず投げています」と明かす。
左打者にフォークで三振が多いのは特に理由はないとのことだろうかーー。
「一般的に左バッターの代打に左ピッチャーみたいな感じのがあるじゃないですか、ああいうので打ちづらくなっているのかなというくらいです」。
追い込んでから決め球にフォークがあるというのは投球の中で心強いのだろうかーー、
「ボール球でも手を出してくれますし、いい時は高めから来たら見逃し三振もありますし、結構ある程度のところに投げられれば、勝負球になるなというのはあるので、決め球としてはすごい重宝しています」。
12日の広島戦ではフォークを意識しているファビアンをストレートで三振に仕留めるなど、フォークがあるからこそ他の球種が活きることもあるのだろうかーー。
「そうですね、真っ直ぐとフォークがあるだけでバッターは差されてくれたり、前に出てくれたりというのがあるので、どっちかに偏ってもいけないですし、コンビネーションが大事ですね」。
同点、ビハインドゲームで登板し、高野が登板した直近2試合はいずれも味方が勝ち越し、逆転しており、勝負を呼び込む投球を披露している。「今のところショートでもロングでも使っていただけているので、どちらの要望に応えられるように、ゼロで帰って来れるように頑張ります」。チームの勝利を手繰り寄せる投球を継続していく。
取材・文=岩下雄太