ロッテは交流戦に入ってから“若手主体”のオーダーを組み、その若手野手がレギュラーを掴もうと必死に戦っている。
1番・藤原恭大、2番・寺地隆成、3番・池田来翔、4番・山本大斗は交流戦が始まった6月4日の巨人戦から6月21日のDeNA戦にかけて16試合連続でこの並びで戦った。
藤原は1番で意識していることについて「特にないですけど」としながらも、「(塁に)出るか出ないかで変わるので、チームに勢いつけられたらいいなと思います」と意気込む。2番という打順に固定されていることに関して寺地は「任された打順で打っている感じです」と自身の役割を全うする。池田は「今3番を打たせてもらっているので、より結果を出してチームに必要とされる存在になって、チームに貢献したい」と話せば、4番を打つ山本は「一つのポジションを僕がまずは奪うことと、今は4番に座らせてもらっていますけど、しっかり自分ができることを全て毎試合100%の結果を出せるようにやっていきたい」と覚悟を示した。
若手選手が多く出場していることについて、池田は「ファームで寺地と大斗はずっとやってきて、お互い切磋琢磨しながらやっていたので、あいつらに負けないようにやっています。みんなでそういう話をしています」とギラギラしている。
山本も「今は若い選手が出ているので、若い人たちが活躍したら勢いがつく。そういったところで若い選手が思い切ったプレーしていったらいいなと話してはいますし、そうなっていければいいなと思います」と話した。
池田、山本、寺地に比べ、一軍での出場経験が多い藤原は「若い選手がとずっと言われてきたので、このタイミングでちょうどそういう風になりましたし、ここから、今年から若い人間が力を出さないと優勝できないと思います。そういう年にできたらいいなと思います」と中心選手としての自覚を感じさせる。
安田尚憲も「これまでとは違った雰囲気でやれていますし、今はこういうチーム状況ですけど、若手が勢いを持ってやっていかないといけないと思うので、その勢いに乗れるようにというか、自分も作れるように頑張っていきたいと思います」と明かした。
若手・中堅どころでは髙部瑛斗、佐藤都志也、茶谷健太、小川龍成、和田康士朗、立松由宇、石垣雅海、友杉篤輝、山口航輝、宮崎竜成、上田希由翔、西川史礁、松川虎生と名前がたくさん出てくる。
佐藤は昨年ベストナインを受賞し、シーズン終了後にはプレミア12の日本代表に選出されれば、髙部は22年に盗塁王、ゴールデン・グラブ賞、和田は21年に盗塁王のタイトルを獲得し、山口は22年にチーム最多の16本塁打を放った経験もある。
若手・中堅選手が1年活躍してその後続かないケースが多く、“育っているようで育っていない”、“育っていないようで育っている”という状況が続く。経験豊富な中堅・ベテラン選手たちの復調も必要だが、長い目を見ると、1人でも多く一人前の選手が出てきて欲しいというのが本音だ。その中でも、現在一軍で経験を積んでいる若手・中堅野手が期待の若手を卒業し、不動のレギュラーになった時に長年課題となっている若手の育成問題、貧打が解消されるだろう。
取材・文=岩下雄太