巨人・戸郷翔征 (C)Kyodo News

 リーグ連覇を目指した巨人は今季、70勝69敗4分の3位に終わった。

 チームとしての課題は様々あるが、3位に終わった原因のひとつに先発陣が挙げられるだろう。昨季チーム最多の15勝を挙げ、1人で貯金を12作った菅野智之がFA宣言して米・オリオールズに移籍。3年連続12勝を挙げていた戸郷翔征には、新エースとしての期待がかかった。

 2年連続開幕投手を務めた戸郷は、開幕からピリッとしなかった。3月28日のヤクルトとの開幕戦、5回4失点で降板すると、4月4日の阪神戦が3回3失点で敗戦投手、4月11日の広島戦では4回途中11失点でノックアウト。翌日に一軍登録を抹消された。

 5月5日に再登録されてからも、今ひとつ状態が上がらなかった中で、5月25日のヤクルト戦、6回1失点で今季初勝利、6月8日の楽天戦で7回無失点に抑え、2勝目と“らしい”投球が戻ってきた。

 今季の戸郷は最後まで好不調の波が大きく、21試合・111回を投げ、8勝9敗、防御率4.14だった。

 昨季8勝をマークした井上温大も、苦しい1年になった。飛躍が期待された今季は開幕ローテーションを掴み、4月は5試合・34回を投げ、2勝1敗、防御率2.12と、全ての登板でQS(6回以上3自責点以内)をクリア。最高のスタートを切ったが、5月6日の阪神戦で3回6失点で降板すると、こちらも戸郷同様に良い投球をする日と、不安定な投球をする日の両方の顔を見せた。今季は20試合・107回を投げ、4勝8敗、防御率3.70。春先の投球を1年間見せることができればよかったが、うまくはいかなかった。

 来季、巻き返しへ戸郷、井上には今季以上の働きが求められる。

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