桑田真澄氏 (C) Kyodo News

◆ 白球つれづれ2025・第50回

 この秋まで巨人の二軍監督を務めていた桑田真澄氏が、2024年からイースタン・リーグに参加しているオイシックス新潟アルビレックスBCのチーフベースボール・オフィサー(CBO、以下同じ)に就任することが今月14日に発表された。

 CBOと言えば、近年球団フロントで設けられている要職。チームの編成から育成や将来的なビジョンも確立していくもので、日本ハムの栗山英樹氏や直近では巨人が吉村禎章氏を同職に就いている。

 オイシックスは前身の独立リーグに新潟アルビレックスBCとして参画し、昨季ファームの拡充策の一環でイースタン・リーグに加入。2年目の今季は同リーグ8チーム中7位ながら47勝73敗1分けとまだまだ発展途上のチームだ。それだけに桑田氏のフロント入りは、チーム強化にとどまらず、更なる人気振興など多くの影響を及ぼすことになるだろう。

 それにしても桑田氏の意外な転出先には驚かされる。

 巨人二軍監督からの退団が発表されたのは10月28日のことだった。

 表向きは来年以降、フロント入りしてもらうと言う球団人事として発表される予定だったが、桑田氏が固辞して退団の形となったが、多くの見方は違った。

 その前日まで宮崎の秋季キャンプで指揮を執っていた人間が突如、呼び戻される異常な光景と重ね合わせ、一軍の阿部慎之助監督の指導法と乖離があったと言われる。

「体育会系」気質の阿部監督と、「量より質」を重視する「理論派」の桑田監督はこれまでも「水と油」と称されてきた。どちらが正しいとか論じる気はないが本来、並び立たない指導者を一、二軍に配したフロントの無定見さが招いた退団劇だった。

 思い返せば、桑田真澄と言う天才投手の生き様は驚きの連続である。

 PL学園のエースとして甲子園を席巻。清原和博との「KKコンビ」は今なお最強の高校生氏として記憶される。

 ドラフトでは巨人の1位指名を受けて入団、若きエースとして君臨する。

 この表面だけを見れば、野球界の王道を歩んできたエリートと言えるだろう。

 だが、その間に見え隠れする本質は少し違う。

 PL2年の夏、取手二高に決勝で敗れると、桑田は謎の行方不明事件を起こしている。当時、名もない茨城の県立高校への敗戦がショックだった。PLとはあまりに違う自由奔放な取手二の野球に触れたくて寮を脱出、何と相手エースだった石田文樹選手宅に泊まりに行ってしまったのだ。桑田流の探求心だったのだろう。

 巨人では「投げる不動産屋事件」を引き起こしている。

 入団4年目の1990年代初頭、不動産投資に失敗して実に13億円の借金を抱え込んでしまう。多額の返済金を球団に肩代わりしてもらう事態に後の渡辺恒雄巨人オーナーが激怒。引退後も巨人復帰は絶望的と言われた。

 その後メジャーに挑戦するが30台後半からの年齢的な衰えもあり、満足な数字は残せなかった。それでも視野を広めたことがその後の野球観にも生かされる。

 帰国後は早稲田大学でスポーツ科学を学び、また東大の臨時コーチを務めるなど他の野球人とは一味も二味も違う白球人生を歩んできた。

 決して順風満帆とばかりは言えない57年だが、古巣の巨人に再び別れを告げて新潟の地で再出発も桑田氏らしい。

 オイシックスと言うチームは、二軍から一軍にのし上がる若手の登竜門であり、力の衰えた一軍選手が最後の働き場所として命を懸ける戦場でもある。

 華やかなフットライトを浴びるメインの舞台ではないかも知れない。しかし、そんな場所に“桑田色”を加えたら、どんな化学反応を引き起こすだろう?

 巨人の山口寿一オーナーは桑田氏の退団に際してこう言う。

「これで桑田さんとの縁が切れたわけではない」。

 将来の監督も含めた発言だろうが、一方で松井秀喜氏の次期監督がささやかれるなど、現実的には可能性は少ないと言わざるを得ない。

それなら、新潟で思い切り働き、暴れて欲しい。桑田CBOしか、やれない野球があるかも知れない。ファンはそんな姿を熱望している。

文=荒川和夫(あらかわ・かずお)

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この記事を書いたのは

荒川和夫

1975年スポーツニッポン新聞社入社。野球担当として巨人、西武、ロッテ、横浜大洋(現DeNA)等を歴任。その後運動部長、編集局長、広告局長等を経て現在はスポーツライターとして活動中

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