コラム

また新たな“ビッグ3”がプロへ…

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ブルペンで投球練習するソフトバンク・田中=宮崎(C)KYODO NEWS IMAGES

高校・大学のビッグ3が集う今季のルーキー


 大型新人が注目を集めるのは毎シーズンのことだが、今季は特に将来を嘱望されるルーキーが多い。というのも、高卒・大卒それぞれの世代に「ビッグ3」と呼ばれた有望株がそろっているからだ。

 高卒のビッグ3といえば、藤平尚真(横浜→楽天)、寺島成輝(履正社→ヤクルト)、高橋昂也(花咲徳栄→広島)。昨夏の甲子園では、この3人が“夏の主役”として大きく取り上げられた。

 そして、大卒のビッグ3は田中正義(創価大→ソフトバンク)、佐々木千隼(桜美林大→ロッテ)、柳裕也(明治大→中日)の3人である。彼らはドラフト2位の高橋を除く5人がドラフト1位指名。当然、1年目から球界に新風を吹き込むことが期待されている。

 この6人はまだプロとしての道を歩みはじめたばかりだが、かつて同様に「ビッグ3」と呼ばれた先輩も数多くいる。ここで、“旧ビッグ3”の選手たちが置かれる“現在地”を見てみたい。


ほんの数年の間に明暗を分ける厳しいプロの世界


 まずは、2007年ドラフト時の高校ビッグ3を覚えているだろうか。中田翔(大阪桐蔭→日本ハム)、由規(仙台育英→ヤクルト)、唐川侑己(成田→ロッテ)の3人だ。

 中田の活躍は今さら言うまでもない。栗山英樹監督が全幅の信頼を寄せる4番打者は、打率が物足りないと指摘されることもあるものの、5年連続の20本塁打、3年連続の100打点を継続中。2014年と2016年には打点王にも輝いた。3月に開催されるWBCでも中軸打者として大暴れすることが期待される。

 由規は、昨季の復活勝利が記憶に新しいところ。2011年のシーズン終盤に右肩を痛めて戦線離脱。その後は左膝剥離骨折、右肩の手術といったケガに悩まされ、2015年のオフには育成選手契約となった。しかし、不屈の男は昨年7月5日に再び支配下登録を勝ち取ると、7月24日の中日戦で1786日ぶりの勝利を挙げて目を潤ませた。昨季の成績は5試合2勝3敗、防御率4.56。今季は完全復活を期すシーズンとなる。

 由規同様、勝負の年を迎えるのが唐川。プロ4年目の2011年に12勝(6敗)、防御率2.41と安定した数字を残し、次世代のエースと期待されたものの、使用球が変わった2013年以降はファンの期待を裏切る結果が続いていた。ところが、昨季はかつての姿が垣間見えた。貯金こそできなかったが、6勝(6敗)を挙げて防御率2.84。特に7月以降の夏場は安定感が増し、8月11日の楽天戦では5年ぶりの完封勝利もマーク。今季こそ、先発の柱のひとりとしてフル回転できるだろうか。


 そして、2012年ドラフト時の高校ビッグ3といえば、大谷翔平(花巻東→日本ハム)、藤浪晋太郎(大阪桐蔭→阪神)、浜田達郎(愛工大名電→中日)の3人だ。

 大谷と藤浪は早くから一線で活躍し、シーズンのオン・オフを問わずにメディアをにぎわせる存在となったが、浜田はこのオフに戦力外通告を受けて育成選手となった。

 プロ2年目だった2014年5月7日の阪神戦では、一軍初先発で初完封勝利を挙げる快挙。一気に注目を集め、その年5勝を挙げた左腕だったが、シーズン終盤に左肘を痛めて以降は低迷。悔しい戦力外通告を受けることとなってしまった。ただし、昨年10月に左肘の手術を受け、現在は投球練習を再開。どん底からの復活を目指す。

 新たな“新ビッグ3”の6人は、これからどんな野球人生を歩んでいくだろうか。じっくりと見守っていきたい。


文=清家茂樹(せいけ・しげき)
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