定位置確保へ燃える畠山
2月1日から始まった春季キャンプが終わり、あっという間に開幕まで残り1カ月を切った。
期待のルーキーや新戦力、当落線上の若手たちによるアピール合戦もあと少し。監督や首脳陣の印象に残り、開幕一軍の座を掴むのは一体誰か。目が話せない争いが続く。
さて、ここまでの期間でアピールを行ったのは若手だけではない。かつてはタイトルを獲得するなどの大きな実績を残しながら、近年は低迷していた選手も例外ではない。
2015年に打点王となった畠山和洋(ヤクルト)もそのひとりだろう。チームメイトの川端慎吾(首位打者)、山田哲人(本塁打王)らとともに中軸を担い、打撃主要3タイトルを同一チームの異なる打者で独占。そのオフには3年契約を結んだが、ここ2年は故障もあり結果を残すことはできなかった。
今年は青木宣親が復帰したこともあり、昨季のチーム首位打者・坂口智隆が外野だけではなく一塁の守備練習を行うなど、まさに崖っぷちの状態だ。オープン戦では6試合の出場で打率.188とやや苦しんでいるが、まずは試合に出ることから。復活に向けた調整を続けている。
「もう終わった」とは言わせない!
ほかにも、復活の気配を漂わせる選手はいる。例えば、2016年のシーズン中にアキレス腱断裂の大ケガを負った西岡剛(阪神)。
球界屈指のスピードスターとして鳴らした男は昨年7月に一軍復帰を果たしているものの、レギュラー再奪取には至らず。復活にかける今季は紅白戦でチーム第1号本塁打を放つなど、キャンプ序盤から順調ぶりを発揮していた。
若手の台頭著しいチームの中で、鳥谷敬や福留孝介のように“もうひと花”を咲かせることができるか。こちらも引き続き注目だ。
ルーキーイヤー以来、実に14年ぶりとなるキャンプ二軍スタートとなった内海哲也(巨人)も、今年にかける想いは強い。
7勝、2勝、9勝、2勝と浮き沈みの激しいここ数シーズン。かつてのエースとして、2年連続で沈むことは許されない。今年は初日からブルペンに入るなど、序盤から元気な姿を見せつけた。
チームは先発の柱・マイコラスがメジャーに復帰したこともあり、菅野智之と田口麗斗の2本柱にかかる負担が大きくなる。FAで獲得した野上亮磨ら実績のある投手はいるものの、層の薄さは否めない。この状況は内海にとってチャンスと言えるだろう。元最多勝左腕はチームの救世主となれるだろうか。
その他、今年のキャンプで最も話題を集めたと言っても過言ではない松坂大輔(中日)など、実績のあるベテランたちが例年以上に話題を振りまいた今年の春。「もう終わった選手」とは言わせない…。再起にかける男たちにも注目だ。