コラム 2018.05.15. 11:36

新天地で飛躍するトレード選手たち

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西武・榎田(C)KYODO NEWS IMAGES

菊池雄星離脱の西武で榎田大樹がエース級の活躍


 今季、岡本洋介とのトレードで阪神から西武に移籍した榎田大樹がチームの首位快走に大きく貢献している。5月13日のロッテ戦に先発した榎田は7回無失点の快投を披露。ロッテ打線を散発4安打に抑える危なげないピッチングでチームの連敗を4で止めてみせた。これで榎田は無傷の先発4戦4勝。防御率1.30、被打率.181、1投球回当たりに許した走者の数であるWHIPは0.83と文句のつけようがない成績を残している。

 チームでは多和田真三郎が6勝(1敗)、エース・菊池雄星が5勝(0敗)と榎田を上回る勝ち星を挙げている。ただ、今季の菊池は試合によって波があり、先発6試合のうち3試合で5失点を喫している。強力打線の援護もあって5勝をマークしているが、防御率は3.86と、本来の力を思えば精彩を欠いている印象だ。

 多和田も5月12日のロッテ戦での7失点が響いて防御率は3.60にまで一気に悪化した。安定感という点では榎田に軍配が上がる。しかも、菊池は左肩の張りを訴えて5月6日に出場選手登録抹消となった。チームの連敗を止めたこともあり、ファンからはいまや「榎田がエースだ」という声も聞かれる。

 阪神時代は、ルーキーイヤーの2011年にいきなり62試合に登板し、防御率2.27と鮮烈なデビューを飾った榎田。しかし、成績の低下とともに徐々に出場機会を失い、昨季はわずか3試合の登板に終わった。新天地でこれだけの大活躍をすると予想していたファンはそう多くはないだろう。ここで、榎田のようにトレードがきっかけで大きな飛躍を果たした近年の選手を振り返ってみたい。下記は、彼らのトレード前年の成績と、移籍先で大きな活躍を見せたシーズンの成績だ。

【トレードで飛躍を果たした近年の選手】
▼大田泰示(巨人⇒日本ハム)
2016年(巨) 62試合 打率.202 4本塁打 13打点 0盗塁
2017年(日)118試合 打率.258 15本塁打 46打点 5盗塁

▼桑原謙太朗(オリックス⇒阪神)
2014年(オ) 4試合 5回1/3 0勝0敗0H0S  6奪三振 防御率1.69
2017年(神)67試合 65回2/3 4勝2敗39H0S 63奪三振 防御率1.51


複数球団のファンに応援されるという幸せ


 まず、トレードで化けた選手として野球ファンが真っ先にイメージするのは大田泰示(日本ハム)だろう。2008年ドラフト1位で巨人入りし、松井秀喜(元巨人ほか)がつけていた背番号55を受け継いた大田だったが、打撃成績は長年にわたり低迷。巨人時代は8年間で9本塁打という成績だったが、日本ハムに移籍した昨季は1シーズンでそれを上回る15本塁打をマーク。今季はすでにリーグ2位の10本塁打を放っており、本塁打王争いに参戦するほどの勢いだ。

 桑原謙太朗(阪神)も昨季の活躍が目覚ましかったトレード経験者。横浜時代にはルーキーイヤーの2008年に30試合に登板したが、徐々に出番を減らし、2011年にオリックスへトレード移籍。しかし、4年間で22試合の登板にとどまり、2015年に再びトレードによって阪神入りした。阪神でも移籍後2年間はくすぶり続けたが、昨季、いきなりの覚醒。オープン戦8試合で防御率1.17と好成績を残して開幕一軍入りを果たすと、シーズンを通して主にセットアッパーとして活躍。67試合に登板してリーグ最多の39ホールドをマークし、プロ10年目にしてうれしい初タイトルである最優秀中継ぎ投手に輝いた。今季もここまで11試合で防御率1.74、リーグ4位の8ホールドを挙げ、安定感抜群の投球を維持している。

 ふたりのほかにも、2016年途中にオリックスからヤクルトへ移籍した近藤一樹も新天地での活躍が目立つひとり。オリックス時代には右肘手術の影響もあり支配下選手登録を解除されたこともある近藤だが、昨季はチーム3位の54試合に登板。今季もここまでチームトップの18試合に登板しており、台所事情の苦しいヤクルト投手陣のなかで大車輪の働きを見せている。

 かつてくすぶっていた選手が移籍先の新天地で活躍すれば、古巣のファンもうれしくなるもの。いわば、上記のようなトレード選手たちは複数球団のファンから応援されているということでもある。その幸せをかみ締めながら、一軍の舞台で元気な姿を見せ続けてほしい。
※数字は5月13日終了時点


文=清家茂樹(せいけ・しげき)

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