東浜とスアレスが戻ってきたソフトバンク
8月も半分を過ぎ、セ・パ両リーグともに順位争いが激しくなってきた。
セ・リーグは3連覇を目指す広島にマジックが点灯。2位との差は10ゲーム以上と独走体勢の入っており、2位以下の5チームが残る2つのクライマックスシリーズ進出権を争うという構図になっている。パ・リーグの方は西武と日本ハムの2チームがやや抜け出しての優勝争い、少し離れてソフトバンク、オリックス、ロッテによる3位争いが熾烈になっている。
暑さに加えて、6連戦が続く厳しい日程になるこの時期。各チームとも先発ローテーションに中継ぎ陣と投手のやりくりに頭を悩ませているところだろう。こんな時に頼りになるのが、離脱から戻ってくる主力選手たちだ。
苦しい戦いが続く昨季の日本一王者・ソフトバンクは、昨季の最多勝投手の東浜巨と剛腕リリーバーのロベルト・スアレスが帰ってきた。
東浜は昨季16勝を挙げてブレイクを果たすも、今季はわずか1勝と苦しんだまま故障で5月末に離脱。2カ月以上経ってようやく戦列復帰となった。復帰戦こそ4回2失点で降板となったものの、復帰2戦目の8月14日・楽天戦では6回無失点の好投で久々の今季2勝目をマークした。
スアレスはトミー・ジョン手術を受けた影響で昨季は登板なし。これが2年ぶりの復帰となる。心配された球速も150キロ超えを記録しており、復帰登板から2試合連続でホールドを記録。岩崎翔とデニス・サファテが不在となっているブルペン陣の救世主として期待がかかる。
復帰が待たれるマシソン
セ・リーグでは、阪神に秋山拓巳が帰ってきた。こちらも昨季ブレイクを果たした右腕であるが、今年は6月14日以降で4戦3敗を喫するなど打ち込まれるシーンが目立ち、二軍降格となっていた。
それでも、復帰初戦の巨人戦では6回2失点(自責は1)という力投。苦戦している神宮球場でのヤクルト戦となった8月17日の試合は打ち込まれてしまったものの、秋山が昨年の調子を取り戻すかどうかでチームの今後は大きく変わってくる。ランディ・メッセンジャーに続く先発陣の柱として、復調が待たれる。
ほかにも広島の今村猛、ロッテは内竜也、ヤクルトは秋吉亮といった実績のあるリリーバーもこの夏場にファームから戻ってきた。内は復帰から3試合連続で無失点と立ち直った姿を見せているが、今村と秋吉はいまひとつ。ともにブルペン陣に欠かせない存在であることは間違いないだけに、なにかひとつキッカケが欲しいところ。
最後に、まだ一軍復帰はできていないものの、巨人のスコット・マシソンが復帰間近と言われている。アルキメデス・カミネロや上原浩治と言った当初の方程式構想に入った投手が相次いで離脱したことで、終盤の失点で落とした試合も多くなっているだけに、マシソンが復帰となれば心強いことこの上ない。
これからの時期は、投手陣の出来がペナントレースの行方を左右すると言っても過言ではない。実績のある投手陣の一軍復帰が、各チームの起爆剤となることに期待したい。