相次いで大物を獲得!
オリックスからFA宣言していた西勇輝の阪神入団が決まった。これによって、今オフにFA権を行使した5人の所属球団が確定したことになる。
なかでも、巨人が丸佳浩、炭谷銀仁朗とふたりの選手を補強。そのほかにも、メジャー帰りの岩隈久志と今季メジャー20発のビヤヌエバ、オリックスを自由契約となった中島宏之も獲得しており、今シーズン3位からの巻き返しに余念がない。
一方、パ・リーグでは3位の日本ハムも補強に積極的だ。オリックスを自由契約となった金子千尋を、保留者名簿から外れた2日後の12月4日に獲得。その翌日となる12月5日には、今季メジャーで10試合に登板しているハンコックを獲得して中継ぎの層を厚くした。
そして、極めつけが12月7日。台湾のスターであり、「大王」のニックネームで知られる王柏融と正式に契約を結んだことを発表。大物選手が複数揃っていた国内FA市場には目もくれず、次々と補強を進め戦力を整えている。
レアード退団への備えは秋季練習から
しかし、このシーズンオフ、日本ハムの編成がすべて順調に進んでいるかと言えばそうとも言い切れない。
残留交渉を行っていたレアード、マルティネスとの契約がまとまらず、現時点では保留者名簿から外れている。両選手とは交渉を継続しているとのことで、完全に退団が決まったわけではないが、退団することも見越したうえで編成を行っている状況にある。
その兆候は、秋季練習からあった。本来は外野手である浅間大基、大田泰示が三塁守備の練習に取り組んでいたのである。
もちろん、西川遥輝に松本剛、清宮幸太郎、そして新加入の王柏融といったライバルひしめく外野だけでなく、内野もこなせるほうが試合に出場できる可能性はある。しかし、それだけでなく、レアード退団の可能性もあるという事情も考慮してのことだったと見ていいだろう。
補強と現戦力のアップを進める日本ハムと対照的に、今シーズンのパ・リーグ上位2球団は厳しいオフとなっている。
リーグ優勝を果たした西武は、浅村栄斗と炭谷銀仁朗がFA権を行使して他球団へ移籍。菊池雄星もメジャー挑戦に向けてポスティング申請をしており、退団することは確実な状況だ。補強というと新助っ人のニールを獲得しているが、戦力としては未知数である。
レギュラーシーズン2位から日本一になったソフトバンクも、FA組では浅村と西の獲得に乗り出したものの失敗。また、キューバ政府との交渉となるグラシアルが保留者名簿から外れているなど、編成が思ったように進んでいるとは言えない。
今季のパ・リーグは優勝した西武が2位・ソフトバンクに6.5ゲームの差をつけ、日本ハムはソフトバンクからさらに7ゲームの差をつけられての3位だった。それでも、日本ハムや楽天は積極的な補強で着々と戦力を整備。逆襲に向けた準備を進めている。来季はふたたび「混パ」が演出されるかもしれない。