コラム

育成上手はどこ?「高卒・ドラフト2位以下」のレギュラー輩出数で比較

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日本ハム・西川遥輝 (C) KYODO NEWS IMAGES

選手を育てる「広島カープ型」がトレンドに


 セ・リーグ3連覇を成し遂げた広島。黄金期を築きつつあるチームを支える力と言えば、ドラフトで指名して地道に育成してきた“自前”の選手たちだ。

 昨季のメンバーを見てみると、主力野手は全員がドラフトで指名した選手たち。他球団からの移籍選手はゼロで、外国人選手もサビエル・バティスタの99試合というのが最多出場。それもバティスタはドミニカのカープアカデミーを経て育成契約で広島と契約を結んだ選手であり、まさにその“育成力”の高さが光った。

 そんな広島の主力選手たちを“ドラフト順位”で見てみると、規定打席に到達した6人のうち、ドラフト1位指名の選手は野間峻祥ただ一人。育成に時間がかかると言われる高卒選手では、丸佳浩(07年高校生ドラフト3位)と鈴木誠也(12年ドラフト2位)が名前を連ねている。

 では、広島以外の球団はどうなのか。他球団の育成事情についても見ていこう。


近年のパ・リーグ優位が如実に表れる結果が……


 今回検証してみたのは、育成に時間がかかるとされる高校卒で、なおかつドラフト2位以下で指名を受けた選手たち。レギュラーの証とも言える「規定打席到達をどれだけの選手が果たしているか」を、過去10年分(2009年~2018年)さがのぼり、球団ごとにもっとも新しい記録を掲載する。(※移籍選手は除く)


<2018年>
▼ ソフトバンク
中村 晃(07年・高校生ドラフト3位)
上林誠知(13年・ドラフト4位)

▼ 西武
浅村栄斗(08年・ドラフト3位)

▼ 日本ハム
中島卓也(08年・ドラフト5位)
西川遥輝(10年・ドラフト2位)
近藤健介(11年・ドラフト4位)

▼ ロッテ
田村龍弘(12年・ドラフト3位)

▼ 楽天
銀 次 (05年・高校生ドラフト3位)

▼ 広島
丸 佳浩(07年・高校生ドラフト3位)
鈴木誠也(12年・ドラフト2位)

▼ 中日
福田永将(06年・高校生ドラフト3位)


 昨季の規定打席に到達した選手で、高卒ドラフト2位以下だった選手は7球団で合計11名。最多の日本ハムはもちろん、ふたり以上規定打席に到達した選手がいる3チームともAクラスに入っている。また、パ・リーグではオリックスを除く5球団に最低ひとりはいるという結果だった。


<2017年>
▼ DeNA
梶谷隆幸(06年・高校生ドラフト3位)
桑原将志(11年・ドラフト4位)

▼ ヤクルト
中村悠平(08年・ドラフト3位)

▼ 阪神
中谷将大(10年・ドラフト3位)


 2年前の2017年には先述の7チームに加え、セ・リーグ3球団が該当。ちなみに、DeNAはこの年のペナントでは3位ながら、クライマックスシリーズでは優勝した広島を破って日本シリーズに進出している。高卒でドラフト2位以下の選手を複数レギュラーに抱える育成力の高いチームは好成績を残す傾向があるようだ。


<2013年>
▼ オリックス
伊藤光(07年・高校生ドラフト3位)


 パ・リーグでは唯一、2018年に該当者を輩出できなかったオリックスだが、6年前の2013年は伊藤光が達成。そもそも、オリックスは糸井嘉男や中島宏之といった移籍組がレギュラーを張ることが多く、ドラフト順位にこだわらずに高卒で規定打席に到達したのはT-岡田(05年・高校生ドラフト1位)のみ。ドラフト指名を見ても大学・社会人卒の即戦力型の選手が多いことが影響していた。

 また、気になるポイントとしては、巨人がこの10年間で1人も該当者を輩出していないという点。ドラフト1位指名選手では岡本和真(14年・ドラフト1位)や坂本勇人(06年・高校生ドラフト1位)といった不動のレギュラー選手がいるが、2位以下となると、なんと1997年の川相昌弘(82年・ドラフト4位)までさかのぼらなければならない。

 そんな巨人は、今季もFAで丸佳浩ら他球団の主力を獲得。まさに広島とは真逆をいく編成と言えるだろう。果たして、「育成の広島」を打ち破り、リーグ優勝を掴み取ることができるのか。注目してみたい。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)


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