コラム

OP戦の数字は信頼できる?個人成績トップ選手のシーズン振り返り

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阪神・大山

「首位打者」は各球団主力選手をしのいだ阪神・大山


 3月15日、2020年シーズンのオープン戦が終了した。巨人が13戦連続で勝利なしのままオープン戦を終え、チーム成績で最下位になったことが大きく報じられているが、ここでは個人成績に注目してみたい。


 オープン戦は主に調整の場ということもあり、「オープン戦の成績はあてにならない」ともいわれるが、その言葉は果たしてどこまで本当なのか。その検証をする意味でも、今季のオープン戦個人成績トップの選手の数字とともに、昨季のオープン戦個人成績トップの選手の数字、そのシーズン成績を振り返ってみる。

▼ 2020年オープン戦個人成績トップの選手
<打者>
【打 率】.378:大山悠輔(阪神)
【本塁打】4本:中島宏之(巨人)、オースティン(DeNA)
【打 点】11打点:佐野恵太(DeNA)

<投手>
【防御率】1.00:種市篤暉(ロッテ)
【勝利数】3勝:西勇輝(阪神)
【セーブ】3S:齋藤俊介(DeNA)


▼ 2019年オープン戦個人成績トップの選手とシーズン成績
【打 率】.388(OP戦)
楠本泰史(De)39試合:打率.208、1本、6打点

【本塁打】5本
陽 岱鋼(巨)110試合:打率.274、4本、21打点
大田泰示(日)132試合:打率.289、20本、77打点

【打 点】15打点
高橋周平(中)117試合:打率.293、7本、59打点
ブラッシュ(楽)128試合:打率.261、33本、95打点

【防御率】0.96
東明大貴(オ)7試合(19回):1勝1敗、防御率7.11

【勝利数】3勝
大瀬良大地(広):26試合(173回1/3):11勝9敗、防御率3.53
ミランダ (ソ):18試合(86回):7勝5敗、防御率4.19

【セーブ】5S
鈴木博志(中):25試合(25回):0勝2敗1H14S、防御率4.32

 打率.378で今季オープン戦の「首位打者」となったのは、大山悠輔(阪神)。若手を中心に起用することも多いオープン戦では、そもそも主力選手が規定打席に到達しないことも珍しくなく、昨季は打率.388でトップの楠本泰史(DeNA)のほか、塩見康隆(ヤクルト/.385)、木浪聖也(阪神/.373)と若手が打率ランキングの上位を占めた。結局、楠本はシーズンでは大きく活躍することができず、39試合の出場、打率.208にとどまっている。

 ただ、今季は大山に続いて、福田秀平(ロッテ/.375)、山川穂高(西武/.367)、岡本和真(巨人/.356)に、新外国人のオースティン(DeNA/.343)と、それこそ各球団の主力級が上位に名を連ねている。そのなかでのトップに立ったことは、大山にとっても自信になるのではないだろうか。


ロッテの若きドクターK・種市が防御率トップ


 投手の防御率を見てみても、防御率1.00でトップに立った21歳の種市篤暉(ロッテ)に加え、2位以下も小川泰弘(ヤクルト/1.38)、菅野智之(巨人/1.59)、西野勇士(ロッテ/2.08)、山岡泰輔(オリックス/2.12)と主力投手ぞろい。昨季、見事にブレイクを果たした種市だが、ただの「確変」ではなく、今季の活躍にも期待を持てそうだ。

 4本塁打で「本塁打王」となったのは、今季の復活を期す中島宏之(巨人)とオースティン。昨季のオープン戦で本塁打王となった大田泰示(日本ハム)は、日本ハム移籍3年目の昨季、自身初の20本塁打に到達するなどあらゆる指標でキャリアハイの成績をマークした。大田同様、中島とオースティンも活躍できるか注目したい。

 また、チームによって試合数に違いがあり、そもそも登板試合数自体が少ないこと、勝利投手の条件がレギュラーシーズンとはちがうこともあって、勝利数も「あてにならない」とも言える。

 しかし、視点を変えればその限られた登板試合できっちり勝利をもたらしているという点では、昨季のレギュラーシーズンで3年連続の2桁勝利を挙げた大瀬良大地(広島)がオープン戦で3勝を挙げてトップだったように、シーズン成績をある程度、占えるものとも言えそうだ。

 今季オープン戦で3勝を挙げて「最多勝」に輝いたのは西勇輝(阪神)。その西は、規定投球回には達していないが、3試合で10回を投げて自責点はわずかに「1」。防御率は種市をしのぐ0.90だった。阪神に移籍して2年目、長く阪神投手陣の中心を担ったメッセンジャーが退団して迎えた今季、名実ともに虎のエースとなることに期待したい。


文=清家茂樹(せいけ・しげき)
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