ランキングで振り返るメジャー日本人投手
世界的な感染拡大が続いている「新型コロナウイルス」の問題。海の向こう・メジャーリーグも日本と同様にシーズン開幕が遅れており、1995年以来の“短縮シーズン”は避けられそうにない。
144試合で行われた1995年のMLBと言えば、あの野茂英雄がドジャースに加入。“トルネード旋風”を巻き起こして鮮烈なデビューを飾った。
早いものであれから四半世紀…。数多くの日本人選手が海を渡って夢を叶えてきたが、改めて日本人メジャーリーガーたちの活躍を振り返ってみたい。
ということで、今回は日本人選手の“メジャー通算成績”に注目。ここでは投手編として、各部門の記録をランキング形式でまとめてみた。
色褪せぬ野茂の存在感
▼ 勝利
1位 123勝 野茂英雄(1995~2005、2008)
2位 79勝 黒田博樹(2008~2014)
3位 75勝 田中将大(2014~)
4位 63勝 ダルビッシュ有(2012~)
4位 63勝 岩隈久志(2012~2017)
日本人で唯一の「100勝投手」となっているのが、パイオニアの野茂英雄。日本人歴代最多の318試合に先発し、実働12シーズンで123勝を挙げた。
2位が実働7シーズンの黒田博樹で79勝。これを追う田中将大とダルビッシュ有の現役組が、近いうちに野茂の123勝を追いかけていくことになるだろう。
▼ 奪三振
1位 1918個 野茂英雄(1995~2005、2008)
2位 1299個 ダルビッシュ有(2012~)
3位 986個 黒田博樹(2008~2014)
4位 947個 田中将大(2014~)
5位 720個 松坂大輔(2007~2014)
奪三振数部門でも、野茂が圧倒的な数字を残している。
実働7シーズンのダルビッシュがこれを追っているところだが、年齢的にも野茂超え、日本人初の2000奪三振も夢ではない。田中も、開幕時期次第にはなるが、今季中の1000奪三振達成を視界に捉えているという状況だ。
▼ 防御率
1位 3.42 岩隈久志(2012~2017)
2位 3.45 黒田博樹(2008~2014)
3位 3.57 ダルビッシュ有(2012~)
4位 3.70 長谷川滋利(1997~2005)
5位 3.75 田中将大(2014~)
※500投球回以上
防御率部門トップは、現巨人の岩隈久志となった。メジャーでは故障に悩まされる時期もあったが、その安定感は歴代日本人投手の中でも一二を争う。
なお、「500投球回」という縛りがなければ、斎藤隆(2.34)や大塚晶文(2.44)、上原浩治(2.66)といった救援投手がトップ3に入ってくる。
リリーフ投手も奮闘
▼ セーブ
1位 129セーブ 佐々木主浩(2000~2003)
2位 95セーブ 上原浩治(2009~2017)
3位 84セーブ 斎藤 隆(2006~2012)
4位 39セーブ 大塚晶文(2004~2007)
5位 33セーブ 長谷川滋利(1997~2005)
セーブ数部門では、佐々木主浩が日本人唯一の100セーブ超えで1位。実働4シーズンなので、シーズン平均は32セーブに達する。
2位の上原と3位の斎藤はともにNPB時代は先発投手としても活躍。メジャーに移ってからはほぼリリーフに専念する形で結果を残した。
▼ 登板数
1位 517試合 長谷川滋利(1997~2005)
2位 436試合 上原浩治(2009~2017)
3位 388試合 田沢純一(2009、2011~8)
4位 338試合 斎藤 隆(2006~2012)
5位 323試合 野茂英雄(1995~2005、2008)
最後に登板した回数。エンゼルスとマリナーズで実働9シーズンを過ごした長谷川滋利が、日本人投手として最多となる517登板を誇る。メジャー7年目の2003年には防御率1.48、16セーブをマークしてオールスターにも選出された。
3位には、NPBを経ずにメジャーに挑戦した田沢純一がランクイン。5位・野茂は323試合のうち318試合が先発での登板だった。
勝利数と奪三振数では野茂が断然トップではあるが、今後の数年間でダルビッシュや田中、大谷翔平らがどんどん更新していく可能性もあるだろう。
また、これから何人が海を渡り、メジャーの舞台で活躍を見せてくれるのか。“次の25年”、またその先へと期待は繋がっていく。
文=八木遊(やぎ・ゆう)