「安打数に占める本塁打数の割合」トップ10
プロ野球の2020年シーズン開幕日は、現時点で6月19日が有力視されている。ネットやテレビで過去の名試合を楽しむのもいいが、やはりリアルタイムの試合の面白さには到底かなわない。
なかでも、「早くホームランを見たい」という野球ファンも多いだろう。野球の魅力はたくさんあるが、ファンを熱狂させる魅力のひとつが、一発で戦況を大きく変えることができる本塁打だ。
もちろん、イチローに代表されるようなヒットメーカーや、トリプルスリーを達成するような打率も本塁打も残せる選手は、チームの戦力を大きく上向かせてくれる。その一方で、打率はそれほど高くなくとも、いわゆる「当たればホームラン」というタイプの打者も、野球ファンの目には大いに魅力的に映る。
そんな打者なら、たとえ対戦チームにリードを許しているような状況でも、打席に立つ場面によっては一発逆転を期待できる。相手投手からしても、投げ損じれば一発を食らって逆転を許すような打者と対戦するのは嫌なものだろう。現役選手のなかで、そんな「当たればホームラン」の打者を見ていく。
「1本の本塁打を打つために必要な打数」を表す、いわゆる「本塁打率」で見てもいいが、「当たればホームラン」ということをより明白に測るために、ここでは、「通算本塁打数÷通算安打数」で算出する「安打数に占める本塁打数の割合」を見てみたい。
以下は、通算50本塁打を達成している現役NPB所属選手53人における「安打数に占める本塁打数の割合」トップ10だ。
▼ 「安打数に占める本塁打数の割合」トップ10
※通算50本塁打以上の現役NPB所属選手
1位:山川穂高(西) .324(129本塁打/398安打)
2位:ソ ト(De) .313(84本塁打/268安打)
3位:バレンティン(ソ).300(288本塁打/959安打)
4位:中村剛也(西) .283(415本塁打/1467安打)
5位:レアード(ロ) .272(163本塁打/600安打)
6位:メヒア (西) .255(130本塁打/510安打)
7位:デスパイネ(ソ).249(154本塁打/618安打)
8位:ロメロ (楽) .228(69本塁打/302安打)
9位:ロペス (De) .200(186本塁打/929安打)
10位:岡本和真(巨) .199(65本塁打/327安打)
山川穂高(西武)が外国人選手をしのいでトップ
ある程度の予測はできたことだが、パワーに勝る外国人選手たちが上位を占めた。トップ10のうち7人が外国人だ。そんな強敵をおさえてトップに立ったのが、「山賊打線」を牽引する山川穂高選手(西武)だ。
その数字は「.324」(129本塁打/398安打)。山川自身が「もっとも尊敬する選手」とする先輩・中村剛也選手(西武)の.283(415本塁打/1467安打)を大きく上回り、「3安打のうちひとつは本塁打」と言ってもいい驚異的な数字だった。
2位には、2年連続でセ・リーグ本塁打王となっているソト(DeNA)が「.313」(84本塁打/268安打)でランクイン。来日してまだ2シーズンを終えただけだが、そのいずれも40本塁打をマークしている。
ちなみに、60本塁打のシーズン本塁打記録を打ち立てたバレンティン(ソフトバンク)は「.300」(288本塁打/959安打)で3位。ヤクルト時代の9シーズンでコンスタントに30本塁打をマークしているが、40本塁打を超えたのは、60本塁打を記録した2013年のみ。それを思えば、この順位も納得だ。
そして、「.199」(65本塁打/327安打)で10位に滑り込んだのが、巨人の若き主砲・岡本和真だ。プロ入りして3シーズンはわずか1本塁打にとどまっていたものの、一軍に定着した2018年にいきなり33本塁打を記録してブレイク。昨季も打率こそ「.265」と振るわなかったが、2年連続での30本塁打をマークし、それこそ「当たればホームラン」を体現した。
今季、リアルタイムの試合の面白さを100%享受するためにも、山川や岡本ら「当たればホームラン」を期待させる選手たちの打席には大いに注目したいし、新たな「当たればホームラン」を期待させるスラッガーの出現にも期待したい。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)