コラム 2020.06.01. 08:00

青木宣親、「新生スワローズ」に欠かせないキャプテンシー

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ヤクルト・青木宣親

高津監督からキャプテンに任命


 最下位からの逆襲へ、5年ぶりの優勝を目指すヤクルト。開幕日が6月19日に決まり、レギュラーシーズンは143試合から120試合に短縮された。チーム一丸となり「開幕ダッシュ」に向けてスタートを切りたいところ。

 今季からヤクルトは2年ぶりにキャプテン制を敷いた。高津臣吾監督が指名したのは、38歳のベテラン・青木宣親だ。


 昨季、ヤクルトは5月14日から6月1日まで球団ワーストに並ぶ悪夢の16連敗を喫した。青木はその苦境の中、頭を丸刈りにして気合いを入れ、バットでも打率3割台をマークしながらチームを引っ張り続けた。

 また、5月22日の阪神戦(甲子園)で史上126人目となるNPB通算1500安打を達成。通算1156試合目での到達は、11年楽天・松井稼頭央(現西武二軍監督)の1233試合目を抜いて史上最速の記録となった。


メジャーに行く前より大きく変わった


 青木は12年からメジャーで6年間プレー。18年にヤクルトに7年ぶりの復帰を果たすと、チームの精神的支柱となった。

 昨季、指揮を執っていた小川淳司前監督は、青木のチームを思う姿勢に「メジャーに行く前より大きく変わった」と口にしていた。さらに「ベンチでも大きな声を出している」と、仲間を鼓舞する熱い一面を称えていた。

 青木本人も23日に電話出演したラジオ番組で「自分を表現することができるようになったかもしれない。気持ちにそんな変化はないですけど、自分を出せるようになった」と話している。

 高津新監督のもと新しく生まれ変わろうとするチームに、青木のキャプテンシーは欠かすことができない。指揮官からキャプテンに任命されたことについて「監督から言われたことなので、断る理由もない」とし、「チームリーダーみたいな選手が若い選手から出てきてくれるとすごく助かるけど、現状まだそういうチームでないのは確か。自分がキャプテンとして引っ張るのはいいことだと思う」と、意欲を示した。

 また、プロ17年目を迎える今季は、節目となる日米通算2500安打にあと「135本」と迫っている。さらにこの先、3000安打という大台も視野に入ってくるが、青木は「あわよくばそこ、いきたいなと思っています。それありきではないですけど、なんとなくぼんやりとした目標」と話す。

 いよいよ6月2日からは練習試合も再開して開幕に備えるが、当面は無観客試合で行われる。かつてない状況の中で「若い選手が出ていいチームになれば面白い」と語る稀代の安打製造機。自身の目標を胸に、キャプテンとしてもチームを頂点へと導いていく。


文=別府勉(べっぷ・つとむ)

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