コラム

世界の王にフォークの神様、現役では侍の4番打者も…「東京の高校」出身者でベストナイン組んでみた

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昨年のプレミア12では大会MVPにも選出された鈴木誠也

最も学校数の多い東京


 プロアマ野球研究所(PABBlab)では、今年6月から「都道府県別の高校出身で組んだベストナイン」企画を展開。これまで大阪に愛知、神奈川と寄稿してきたが、追加の要望に応えて今月もお届けしていきたい。

 今回取り上げるのは、最も多くの学校数を抱える“東京”。なお、選手の出身地は関係なく、あくまでも「東京の高校出身」の選手のなかから、独自に選出したものとなっているのでご理解いただきたい。


「東京の高校出身者」ベストナイン


<先発投手>
杉下 茂(帝京商)
[通算] 525試(2841.2回) 215勝123敗 防2.23

<中継ぎ投手>
近藤一樹(日大三)
[通算] 327試(823.1回) 43勝56敗3セーブ・69ホールド 防4.49
☆現役
※成績は昨シーズン終了時点

<抑え投手>
山﨑康晃(帝京)
[通算] 303試(296.0回) 13勝17敗163セーブ・36ホールド 防2.34
☆現役
※成績は昨シーズン終了時点

<捕手>
阿部慎之助(安田学園)
[通算] 2282試 率.284(7514-2132) 本406 点1285 盗13

<一塁手>
王 貞治(早稲田実)
[通算] 2831試 率.301(9250-2786) 本868 点2170 盗84

<二塁手>
井口資仁(国学院久我山)
[日米通算] 2408試 率.270(8353-2254) 本295 点1222 盗224

<三塁手>
江藤 智(関東高)
[通算] 1834試 率.268(5819-1559) 本364 点1020 盗82

<遊撃手>
高橋慶彦(城西高)
[通算] 1722試 率.280(6510-1826) 本163 点604 盗477

<外野手>
田淵幸一(法政一)
[通算] 1739試 率.260(5881-1532) 本474 点1135 盗18

栗橋 茂(帝京商工)
[通算] 1550試 率.278(4674-1301) 本215 点701 盗105

鈴木誠也(二松学舎大付)
[通算] 652試 率.317(2111-670) 本119 点399 盗67
☆現役
※成績は昨シーズン終了時点

<指名打者>
榎本喜八(早稲田実)
[通算] 2222試 率.298(7763-2314) 本246 点979 盗153


その他候補


<投手>
土橋正幸(日本橋)
[通算] 455試(2518.1回) 162勝135敗 防2.66

成田文男(修徳)
[通算] 534試(2781.0回) 175勝129敗8セーブ 防3.20

伊東昭光(帝京)
[通算] 325試(1289.1回) 87勝76敗21セーブ 防4.01

武田一浩(明大中野)
[通算] 341試(1517.2回) 89勝99敗31セーブ 防3.92

岩隈久志(堀越)
[日米通算] 376試(2424.2回) 170勝108敗2セーブ 防3.31

<捕手>
大矢明彦(早稲田実)
[通算] 1552試 率.245(4665-1144) 本93 点479 盗41

田村藤夫(関東一)
[通算] 1552試 率.252(4452-1123) 本110 点486 盗35

<内野手>
初芝 清(二松学舎大付)
[通算] 1732試 率.265(5762-1525) 本232 点879 盗11

小谷野栄一(創価)
[通算] 1394試 率.264(4765-1260) 本71 点566 盗31

井端弘和(堀越)
[通算] 1896試 率.281(6803-1912) 本56 点510 盗149

<外野手>
関根潤三(旧制・日大三中)
[通算] 1417試 率.279(4078-1137) 本59 点424 盗30
        
中村 晃(帝京)
[通算] 925試 率.289(3253-940) 本40 点309 盗40
☆現役
※成績は昨シーズン終了時点


先発は「フォークボールの神様」、抑えは「ヤスアキ」


 先発投手は、“フォークボールの神様”として知られる杉下。

 1954年には投手タイトルを総なめし、中日の初優勝に大きく貢献。MVPにも選ばれている。フォークのイメージが強いが、実際に試合で投げる機会は少なく、その理由は捕手も捕球が困難だったからと言われている。


 迷ったのは中継ぎだ。1988年に全てリリーフで18勝をマークして最多勝に輝いた伊東、1991年に最優秀救援のタイトルを獲得している武田なども候補になったが、“中継ぎ”としての実績では近藤が上回ると判断した。

 若い頃は先発で故障にも苦しんだが、ヤクルト移籍後にリリーフで見事復活。2018年にはプロ入り17年目で初のタイトルとなる「最優秀中継ぎ投手賞」を受賞している。


 抑えは現役から山崎をチョイス。

 DeNA入団から5年間で163セーブをマークし、リーグを代表するクローザーとして活躍している。今シーズンは苦しんでいるが、ここから調子を上げてくることを期待したい。


一塁は「世界の王」、三遊間は“広島コンビ”


 捕手は昨年限りで引退した阿部を選出した。

 中央大時代から強打の捕手として評判となり、ドラフト1位で巨人に入団。若い頃はリードを酷評されることもあったが、圧倒的な打力とリーダーシップで雑音を封じ込め、捕手としては史上2人目となる2000本安打と400本塁打を達成した。間違いなく、巨人の歴史でもナンバーワンの捕手と言えるだろう。


 ファーストは文句なしで“世界の王”。

 868本塁打の世界記録はもちろんだが、打点・得点・塁打・四球・敬遠・出塁率・長打率と数々の通算最高記録を保持している。打撃3部門(首位打者・ホームラン王・打点王)のタイトル獲得33回も、“不滅の大記録”である。


 セカンドには、現在ロッテの監督を務める井口。

 青山学院大時代は東都大学リーグの通算本塁打記録を塗り替えるなど、強打のショートとして活躍。逆指名でダイエーに入団すると、プロ入り後はセカンドにコンバートとなり、ダイエーの黄金期を支えた。メジャーでもセカンドのレギュラーとして活躍し、2度のワールドチャンピオンにも貢献している。ロッテで日本球界に復帰した後も勝負強い打撃で長く活躍した。


 三遊間は江藤・高橋と、広島で活躍した2人だ。

 江藤はドラフト5位での入団ながら、長打力を生かして早くから一軍に定着。ホームラン王2回、打点王1回とリーグを代表する強打者に成長し、FAで巨人に移籍後も中軸として活躍した。

 高校時代の高橋は投手だったが、脚力を生かしてプロ入り後にショートに転向。並外れた練習量でレギュラーを勝ち取ると、長くトップバッターとして活躍し、3度の盗塁王にも輝いている。1979年にマークした33試合連続安打は、現在でもプロ野球記録だ。


豪華な外野陣には“神ってる”男


 田淵は阿部がいたため、やむなく外野で選出した。

 法政大では当時リーグ記録となる通算22本塁打を放ち、ドラフト1位で阪神に入団。江夏豊とのバッテリーは“黄金バッテリー”と言われ、1975年にはホームラン王にも輝いている。高々と打ちあげるホームランの放物線が美しく、ホームランアーティストとも呼ばれた。

 栗橋は駒沢大で強打者として活躍し、ドラフト1位で近鉄に入団。5年目から中軸を任されると、1979年には32本塁打を放ち、チームの初優勝にも大きく貢献。翌年には最高出塁率のタイトルも獲得して、長く中心選手として活躍した。

 外野手の3人目は現役の鈴木。高校時代は投手としても評判だったが、野手として高く評価されてドラフト2位で広島に入団。プロ入り4年目の2016年にいきなり打率.335・29本塁打・95打点と大ブレイクし、鈴木の活躍を表現した“神ってる”という言葉は流行語大賞にもなった。現役の野手で最もメジャーが注目している選手と言えるだろう。


 指名打者には、オリオンズで長く中心選手として活躍した榎本を選ぶ。

 高校卒1年目からいきなり146安打、打率.298という成績を残すと、首位打者を2度獲得するなどリーグを代表するヒットメーカーとなった。24歳9カ月での通算1000本安打、31歳7カ月での通算2000本はどちらもいまだに最年少記録である。


 高校野球の世界では東西に分かれており、それだけチームも多いことからやはり豪華な顔ぶれとなった。現役の山崎と鈴木も早くから主力となっており、まだまだ働き盛りの年齢だけに、ともに名球会入りも十分に考えられるだろう。


☆記事提供:プロアマ野球研究所
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