コラム

愛知の新興勢力にこんな逸材が…ドラフト戦線に急浮上した“強肩強打”の高校生捕手

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豊橋中央の中川拓真選手 [写真提供=プロアマ野球研究所]

急成長みせ注目度上昇中…


 8月17日に幕を閉じた、『2020年甲子園高校野球交流試合』。全国各地で行われた独自大会も全日程を終了し、これからはいよいよドラフト会議へ。プロ志望届を提出した高校生の候補たちも話題となっている。

 10月26日のドラフト会議に向けて、プロアマ野球研究所(PABBlab)では、この夏に活躍が光った選手について積極的に紹介していきたいと思う。

 今回は、最終学年で急浮上してきた強肩捕手を取り上げる。


甲子園の出場は一度もなし


 過去に紹介した牧原巧汰(日大藤沢)や二俣翔一(磐田東)、ほかにも関本勇輔(履正社)、古谷将也(成田)などが有力候補と見られている高校生の捕手だが、最後の夏になって急浮上してきた選手がいる。それが中川拓真(豊橋中央)だ。


 所属する豊橋中央は過去に甲子園や東海大会への出場はないものの、谷川原健太(ソフトバンク)が2015年にドラフト3位でプロ入り。昨年秋の県大会でも準決勝進出を果たすなど、強豪ひしめく愛知にあってメキメキと力をつけてきている新興勢力である。

 そんなチームに、谷川原に続く“強肩強打の捕手”が出現したという情報を聞いて、愛知の独自大会5回戦・桜丘戦に足を運んだ。


 この試合、中川は「4番・捕手」で先発出場。まず魅せたのはバッティングだ。

 1回表の攻撃、一死二・三塁のチャンスで打席に入ると、追い込まれながらも外の変化球を上手くライト前に運ぶ2点適時打。少し左足の上げ方は大きいものの、ゆったりとタイミングをとってステップにも粘りがあるため、変化球にもついていくことができる。

 また、見るからに力強い構えなのだが、決して上半身や腕力に頼らないのは大きな長所と言えるだろう。


二塁への送球タイムは高校球界屈指


 そして、打撃以上に素晴らしかったのがスローイングだ。

 その裏のイニング間のセカンド送球で、いきなり1.80秒をマーク。これは筆者が計測した限りでは、冒頭で紹介した4人の選手と比べても最も速い数字である。

 この試合では計7度、イニング間のスローイングを計測することができたが、その全てで強肩の基準と言われる2.0秒を切り、1.8秒台も4度マーク。これは大学生や社会人でもなかなかいないレベルである。


 単純な地肩の強さとしては、投手としても140キロ台中盤のスピードを誇る二俣の方が上にも見えるが、中川は捕球から送球に移る動きがとにかくスムーズ。それでいて、セカンドベース付近でも勢いの落ちないボールを投げられるというのが大きな魅力だ。

 177センチ・86キロといういかにもキャッチャーらしいたくましい体つきだが、フットワークも良く、内野ゴロの時のカバーリングでもしっかり動くことができていた。

 一つだけ気になったことと言えば、時折肘が下がってボールがシュート回転するところだが、それも極端ではなく、コントロールも安定していた。


若手捕手が不足する球団は狙い目!


 結局、この日の試合は豊橋中央が幸先良く2点を先制したものの、中盤に追いつかれると、8回裏に決勝点を与えて1点差で敗戦となった。

 試合後、中川は逆転を許した場面での配球について「慎重さが欠けていた」とコメントしていたが、守備力に関しては、間違いなく今年の高校生捕手でも指折りの存在と言えるだろう。


 また、進路についてもプロ志望と話しており、8月26日には志望届も提出している。ちなみに、この日は第2試合で中京大中京の高橋宏斗がリリーフ登板したということもあってスタンドには多くのスカウトが詰めかけていたが、中川に対しても熱い視線を送っていた。

 大舞台での経験こそないものの、素材の良さは申し分ない。若手捕手が不足している球団は、ぜひ狙いたい選手の一人だろう。


☆記事提供:プロアマ野球研究所
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