コラム 2020.12.30. 17:09

データで振り返る!メジャー日本人選手の2020年 ~平野佳寿 編~

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ストッパーを任されるシーンも…


 メジャー最初の2年間(2018~19年)をアリゾナ・ダイヤモンドバックスで過ごした平野佳寿は、昨オフにFAでシアトル・マリナーズに移籍。期待を胸に迎えたア・リーグ1年目だったが、まさかのスタートとなった。

 心機一転、日本人ファンには馴染み深いマリナーズのユニホームをまとったベテランだったが、開幕前に新型コロナウイルスの感染が判明。復帰したのは、約1カ月後の8月下旬だった。

 8月は4試合を無失点に抑え、首脳陣へのアピールに成功。9月に入ると、守護神として最終回を任されることも増え、最終的には4セーブを記録した。

 ただし、最終登板となった9月27日の試合では3失点で炎上。シーズン成績は13試合で0勝1敗4セーブ、防御率は不本意な5.84に終わった。

 シーズン投球回数は12回1/3と少なく、各種データはあくまでも参考程度と見るべきだが、やはりネガティブな数字が多い1年だった。


必勝パターンに陰り…?


 まず球種の内訳を見てみると、ストレートが45.2%にフォークが54.4%。この2球種以外には、スライダーを1球投じただけとなっている。

 ストレートの球速は2018年から順に91.4マイル(約147.0キロ)、91.1マイル(約146.6キロ)、そして89.9マイル(144.6キロ)と右肩下がり。さすがに145キロ前後のストレートとフォークの2球種だけでは、メジャーの強打者を抑えることは難しかった。

 案の定、今季のストレート被打率は.412(17打数7安打)と打ち込まれた。一方で、フォークの被打率も.306(36打数11安打)。1~2年目は被打率2割前後に抑えていた“伝家の宝刀”も陰りを見せている。

 ストレートの球速が遅くなったことで、フォークの威力は半減。フォーク投球時の空振り率は2019年の39.6%から、今季は29.0%まで落ち込んでおり、これが何よりの証拠だ。


 絶対的守護神として活躍したオリックス時代から、2ストライクに追い込めば高い確率で相手打者を打ち取っていた平野。ダイヤモンドバックス時代の2年間でも、2ストライク時の被打率は.165(272打数45安打)としっかり結果を残していた。しかし、今季は2ストライク時の被打率は.370(27打数10安打)。全く自分の投球ができなかったといえるだろう。

 マリナーズとは1年契約だったため、オフに再びFAとなり、来季の活躍場所を模索している。メジャーの複数球団が獲得に興味を示しているといわれており、平野本人もメジャーで投げる意思が強いようだ。

 古巣オリックスが獲得に向け調査しているという報道もあったが、先行き不透明なコロナ禍のなか、果たして平野はどのような決断を下すだろうか。


文=八木遊(やぎ・ゆう)


平野佳寿

ポジション:投手
投打:右投右打
生年月日:1984年3月8日(36歳)
身長・体重:185センチ・84キロ
出身地:京都府

<今季成績>
登板:13試合
投球回:12.1回
防御率:5.84
勝敗:0勝1敗
奪三振数:11個
奪三振率:8.03
与四死球:9個

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