奪三振率「14.79」は両リーグぶっちぎりの数字
ロッテ・佐々木朗希が奪三振ショーを披露した。
4月3日の西武戦に先発登板した佐々木は、5回までに毎回2三振を奪う10奪三振をマーク。その後も毎回奪三振を積み上げ、最終的に8回を13奪三振・1失点。本拠地・ZOZOマリンスタジアムでの初勝利を挙げた。
佐々木は前回登板であった3月27日の楽天戦でも、初回をいきなりの3奪三振で三者凡退に抑えるなど、毎回の6回10奪三振をマーク。ここまでの奪三振率14.79(23奪三振/14投球回)は、両リーグで見てもぶっちぎりの数字だ。
奪三振率のリーグ2位は、ともに楽天の涌井秀章と岸孝之の10.50(7奪三振/6投球回)であり、近年の奪三振王タイトル獲得者である山本由伸(オリックス)と千賀滉大(ソフトバンク)が10.20(17奪三振/15投球回)で続く。
それぞれ最優秀防御率や最多勝、最高勝率、そして最多奪三振といった投手タイトルを複数獲得した現在の日本球界を代表する投手であるが、今季のここまでの奪三振率においては佐々木に遠く及ばない。
現代野球が踏み込めない数字に挑む!
「奪三振」といえば、歴代記録で見ると現代野球においては簡単には届かない数字のオンパレードだ。
2000年代以降では、2011年のダルビッシュ有(当時・日本ハム)のシーズン276奪三振が最高である。
ただし、そのダルビッシュの数字も歴代記録でいうと29位であり、その2011年の奪三振率は10.71(276奪三振/232投球回)。
また、NPBの公式記録として公表されているシーズン奪三振数上位57人のなかでトップの奪三振率は、1990年に野茂英雄(当時・近鉄)が記録した10.99(287奪三振/235投球回)だ。
それらの数字と比較してみても、ここまでの佐々木の数字はやはり先発投手として抜きん出ているといえる。
もちろん、シーズンはまだはじまったばかりであり、最終的に佐々木がどんな数字を残すかはわからない。
ただ、「三振を奪える」という力は、ファンにとって単純に大きな魅力だ。
2022年シーズンは、これからのロッテはもちろん、日本球界も背負っていくであろう“令和の怪物”が、ついに年間を通してローテーションを担うことが期待されるシーズンでもある。
その記念すべきシーズンに、「奪三振」という多くのファンを魅了する要素において、佐々木がいきなり歴史的な数字を残すかもしれない。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)