コラム 2022.05.27. 07:08

交流戦での大暴れに期待!注目の佐々木朗希と「2001年世代」

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ロッテ・佐々木朗希 (C) Kyodo News

“令和の怪物”vs.セ・リーグ


 5月24日に幕を開けた「日本生命セ・パ交流戦」。

 昨年はオリックスが2度目の優勝を果たしたものの、リーグ間の対戦成績はセ・リーグが11年ぶりに勝ち越しを果たした。




 リーグの威信をかけた戦いはもちろん、ペナントレースの行方を占う上でも重要な3週間。その中で選手にフォーカスを当てると、やはり最注目となるのはロッテの佐々木朗希だろう。

 昨年は一軍デビュー間もない時期だったこの交流戦期間に、阪神を相手にプロ初勝利をマーク。続くヤクルト戦でも、勝ち負けは付かなかったが6回1失点と好投を見せた。

 あれから1年。当時と比べてもスピード、コントロール、変化球、スタミナなど、全てにおいてレベルアップした“令和の怪物”。セ・リーグ各球団が初見で対応するのは簡単ではない。



 現在は金曜が登板日となっている佐々木。26日に発表された予告先発公示にも「佐々木朗希」の名前があり、今年の交流戦は27日の阪神戦が初戦となる。

 その後はアクシデントなく行けば6月3日の巨人戦、そして10日のDeNA戦での先発が濃厚。やはり楽しみなのが各球団の中心打者との対戦だ。


阪神・巨人・DeNA戦に先発予定


 阪神戦での最注目は、やはり佐藤輝明になるだろう。昨年は3打席で2打数1安打・1四球と佐藤に軍配が上がっている。

 佐藤は今年も苦戦が続いたチームの中で好調を維持しており、佐々木といえども簡単に抑えられる相手ではないだろう。160キロを超えるストレートとフルイングの対決に注目だ。


 また、佐々木にとって更にリベンジしたい相手となると、巨人の主砲・岡本和真になるだろう。

 まだ公式戦での対戦はないものの、今年の3月18日に行われたオープン戦では、159キロのストレートをライトスタンドまで運ばれるグランドスラムを被弾。高さは低かったものの、コースは捕手が構えたところよりも甘く入っており、佐々木にとっては改めてプロの厳しさを感じさせられた一発だったことは間違いない。公式戦の舞台で、今度は岡本にどのような攻めを見せるかが今から楽しみだ。


 そしてDeNA戦で最も楽しみな対決となるのは、2年目にして不動の中軸となった牧秀悟である。

 ここまでに放った安打の約半数がストレートをとらえたものであり、速いボールに対しては滅法強いことでも知られる。そんな牧に対して、自慢のストレートがどこまで通用するかを試したい気持ちも強いのではないだろうか。また、ここでは強打者3人の名前を挙げたが、セ・リーグは伝統的に細かい野球で好投手を攻略してきただけに、いかに足を使って佐々木を揺さぶってくるかにも注目したい。


注目の「2001年世代」


 そんな最注目の佐々木朗希と同学年にあたる高校卒3年目=2001年度生まれの中には、今年ブレイクの兆しを見せている選手が少なくない。

 投手でここへきて一気に浮上してきたのが、阪神の西純矢だ。

 3年目の今季は開幕一軍入りこそ逃したものの、二軍で安定した投球を続けると、5月1日の巨人戦で一軍昇格を果たし7回を1失点、8奪三振の好投で今季初勝利をマーク。続く中日戦も勝ち星はつかなかったが、6回を3失点にまとめ、18日のヤクルト戦では自ら本塁打を放ってプロ初完投勝利を挙げた。

 ストレートはコンスタントに150キロ前後のスピードをマークし、スライダーやフォークの決め球も一軍で十分通用するレベルにある。また、カウントをとるカーブやツーシームのコントロールが安定したことで、投球の幅が広がったことも大きい。25日の楽天戦では5回4失点で敗戦投手となったが、この経験を糧に次回以降の巻き返しに期待したい。


 野手で開花の兆しが見られる筆頭と言えば、中日・石川昂弥になるだろう。

 昨年は死球による骨折で長期離脱となったが、今年は開幕からサードのレギュラーに定着。ここまでチームトップタイの5本塁打を放っている。

 5月9日に新型コロナウイルスの陽性判定を受けて戦線離脱となったが、交流戦初戦の西武戦から一軍に復帰。ローテーションの巡りを見ると、残念ながら佐々木との対戦はなさそうだが、パ・リーグの力のある投手からも豪快なアーチを放つことができるか注目だ。


 野手では、石川以外にも中日・岡林勇希とヤクルト・長岡秀樹の2人もレギュラーに定着している。

 まだまだ一軍レベルの投手に苦しんでいる印象もあるが、岡林は抜群のスピード、長岡はパンチ力を生かしたバッティングでチームの貴重な戦力となっている。岡林はセンター、長岡はショートと重要なポジションを担っているだけに、守備でもアピールしたいところだ。


 そして、忘れてはならないのが佐々木とともにこの世代のトップランナーと言えるヤクルト・奥川恭伸とオリックス・宮城大弥の2人だ。

 奥川は今季初登板で上半身のコンディション不良を訴え、以降は二軍での調整が続いている。復帰時期は未定だが、キャッチボールは再開していると報じられており、順調に行けば交流戦中の復帰も期待できる。

 宮城はここまで防御率4点台と、昨年とは打って変わって苦しんでいるが、開幕からローテーションを守り続け、イニング数を上回る奪三振をマークしているのはさすがだ。昨年はともにリーグ優勝のキーマンとなっただけに、交流戦をきっかけに復調してくることを期待したい。


 過去にも2005年の西武・中村剛也や2014年のヤクルト・山田哲人、さらには2016年の広島・鈴木誠也(現・カブス)など、交流戦での活躍をきっかけに大ブレイクした選手は少なくない。

 佐々木をはじめとした「2001年世代」が、この交流戦から一気にリーグを代表する選手へとのし上がってくることも十分に考えられるだろう。


☆記事提供:プロアマ野球研究所



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