4人の中継ぎ陣全員が1回2奪三振の快投で完封リレー
オリックスの投手陣が、絶対に負けられない天王山でその力を存分に発揮した。
9月17日から対ソフトバンク3連戦に臨んでいるオリックス。第1戦はエース・山本由伸が9回をひとりで投げ切り、今季2度目の完封勝利をマークした。
一方、翌9月18日の同カードでファンを魅了したのは中継ぎ陣だ。
先発・宮城大弥は被安打1ながら5回で降板。すると、6回以降は宇田川優希、山﨑颯一郎、阿部翔太、ジェイコブ・ワゲスパックがそれぞれ1イニングを投げて、4人全員が2奪三振を記録するという快投を披露。5人の投手リレーでまたも完封勝利を挙げた。
これで、宇田川は9試合・11回、山﨑は7試合・13回、阿部は17試合・16回2/3、ワゲスパックは11試合・10回2/3を連続で無失点といずれも好調だ。
宇田川は8月3日の西武戦でプロ初登板。山﨑も8月28日の西武戦で4月以来の一軍復帰を果たした投手である。
年齢もそれぞれ23歳・24歳と若く、疲労の影響が出るシーズン終盤にこういうフレッシュな顔ぶれが期待される役割をしっかり果たしてくれることはチームにとって非常に大きい。
9月以降の救援防御率は2.21と安定感抜群
昨季は25年ぶりのリーグ優勝を果たしたオリックスだが、救援防御率は3.33とリーグ5位。中継ぎ陣に少なからず課題を残していた。
しかし、今季はいわゆる「投高打低」といわれるシーズンではあるとはいえ、救援防御率はリーグ3位の2.91と改善傾向にある。
とくに9月に入ってからの救援防御率は2.21と、中継ぎ陣はまさに絶好調だ。
例年にない大混戦となっている今季のパ・リーグ。総力戦となってくる今後は、試合展開によっては早いイニングから中継ぎ投手をどんどん投入するようなケースもあるだろう。
そんななか、シーズン終盤にきてグッと調子を上げているオリックス中継ぎ陣が力を発揮する。
強力中継ぎ陣のバックアップにより、オリックスの逆転連覇はあるか。
佳境を迎えたパ・リーグのペナントレースから目が離せない。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)