菊池は日米通算100勝リーチも乱調
日本時間25日、ブルージェイズの菊池雄星がレイズ戦に先発。日米通算100勝目にリーチを懸けて臨んだが、初回から強力レイズ打線に捕まり、5回5失点の乱調で今季2敗目を喫した。これで開幕5連勝のあと、2連敗となり、防御率は4.56に悪化。今後に向けて不安を残す内容だった。
この日も顔をのぞかせたのは課題の“一発病”だった。1点を失って迎えた2回は、下位打線からの攻撃。しかし、7番打者と9番打者に柵越えを許し、地区首位に立つレイズに主導権を握られた。
そんな菊池と投げ合ったのは同じ左腕のシェーン・マクラナハンだった。この日は最速158キロのストレートと落差の大きいカーブが冴え、7回を投げ、ブルージェイズ打線を4安打1失点に抑える好投。開幕からの連勝を「8」に伸ばし、シーズン「25勝0敗」ペースとしたが、実は昨季も負けず劣らずのロケットスタートを決めていた。
チームの命運を握る若きエース
2018年のドラフトでレイズから1巡目(全体31番目)で指名されたマクラナハン。地元出身ということもあってデビュー前から注目を浴びる存在だった。
デビューイヤーはルーキーリーグで4試合の登板に留まったが、翌19年にマイナーで11勝を挙げ、頭角を現した。しかし、20年はコロナ禍でマイナーリーグの試合は全休。レギュラーシーズンでの登板はなかったものの、ポストシーズンでロースター入りし、ヤンキースとの地区シリーズでメジャー初登板を果たした。ポストシーズンでメジャーデビューを果たした投手は後にも先にもマクラナハンだけである。
実質メジャー1年目となった21年は開幕からローテーションの一角を担い、規定投球回には満たなかったものの10勝を挙げた。そして昨季は開幕投手に抜擢されると、4月こそ1勝2敗と負け越したが、その後は勝利を重ね、前半戦を10勝3敗、防御率1.71の好成績で終えた。
初めて選出されたオールスターゲームでは先発も務め、後半戦のさらなる活躍が期待されたが、まさかの急失速。オールスター以降は2勝5敗、防御率4.20とまるで別人のような成績に終わっていた。
今季も開幕から地区首位を走り、チーム初の世界一を目指すレイズ。その行方はマクラナハンがシーズンを通して活躍できるかどうかがカギとなるだろう。26歳の若きエースの今後から目が離せない。
文=八木遊(やぎ・ゆう)