一昨年は松尾汐恩(大阪桐蔭→DeNA1位)、昨年は堀柊那(報徳学園→オリックス4位)、鈴木叶(常葉大菊川→ヤクルト4位)と選抜で活躍した高校生キャッチャーが相次いでプロ入りを果たしている。今年も彼らに続く可能性が高い選手が存在している。健大高崎の箱山遥人である。
▼ 箱山遥人(健大高崎)
・捕手
・177センチ/83キロ
・右投右打
<秋季関東大会成績>
3試 率.250(8-2) 本0 点1
打席12 二塁打1 三塁打0 四球3 盗塁0
出塁率.417 長打率.375 OPS.792
<二塁送球ベストタイム>
1.88秒
<各塁へのベスト到達タイム>
一塁到達:4.20秒(バント)
箱山は全国から有望な選手が揃う健大高崎でも1年秋から正捕手に定着。当時は下位打線を打つことが多かったが、一昨年秋の関東大会でも横浜高校のエースだった杉山遥希(2023年西武3位)から試合を決める3点タイムリーツーベースを放っている。
筆者が初めてプレーを見たのは、昨年11月に行われた「くまのベースボールフェスタ練習試合」での敦賀気比戦と近大新宮戦。下級生で唯一の試合出場ながら、堂々としたプレーは明らかに目立っていた。
昨年春の選抜は、初戦で報徳学園に敗れたものの、箱山自身は4番、キャッチャーとしてフル出場し2安打をマーク。その後に開かれた春の関東大会では、4試合で5安打、3打点と4番としての役割をしっかり果たして、チームの優勝に大きく貢献した。
昨年秋の新チームからはキャプテンにも就任。更なるレベルアップを見せたのが、選抜出場に向けての大一番となった関東大会準々決勝の対中央学院戦だった。
まず力を示したのがバッティングだ。ワンアウト一・二塁のチャンスで迎えた1回の第1打席、中央学院の好投手、蔵並龍之介(新3年)のチェンジアップをとらえてレフト前ヒットを放つ。
コースは少し甘かったものの、低めの決して簡単なボールではなく、並みの打者であれば空振りするか引っ掛けてゴロになりそうなところだが、箱山はしっかりと呼び込んで鋭く弾き返す。打球はあっという間にサードの横を抜けたため、セカンドランナーはホームインすることができなかった。だが、打球に角度がつけば楽に長打という当たりだった。チームはこの後、相手にバッテリーエラーで貴重な先制点をあげることになる。
そして、持ち味の守備でもさすがのプレーを見せる。1点を先制した直後の2回表、ワンアウトから連打を許して、一・三塁のピンチの場面だ。ここで中央学院の一塁ランナーは初球から盗塁を仕掛けてきたが、箱山は落ち着いた送球で楽々とアウトにして見せた。
健大高崎先発の佐藤龍月(新2年)は、その後の打者から見逃し三振を奪い、このピンチを0点で切り抜けている。試合の流れ的にも、この場面を無失点で抑えたことが非常に大きかったことは間違いない。
3度計測できたイニング間のセカンド送球タイムは、1.88秒、1.90秒、1.90秒といずれも高水準だ。コントロールの良さも目立った。地肩の強さだけでなくフットワークも良く、最終打席の一塁到達タイムも数字の出やすいバントだったとはいえ4.20秒をマークしている。また、周囲への指示を出すタイミングなどプレー以外の面でも目立った。
健大高崎は、これまでも長坂拳弥(阪神)や柘植世那(西武)ら多くの捕手をプロに輩出しているほか、戸丸秦吾(立教大新4年)と綱川真之佑(中央大新3年)も強豪大学で活躍している。チームを指揮する青柳博文監督は、「高校時点の実力は箱山が歴代の捕手でもナンバーワン」と認めるほどだ。昨年の選抜では1回戦で敗退しただけに、今年はチームを勝利に導く活躍を見せてくれることを期待したい。
文=西尾典文(にしお・のりふみ)
☆記事提供:プロアマ野球研究所
▼ 箱山遥人(健大高崎)
・捕手
<秋季関東大会成績>
3試 率.250(8-2) 本0 点1
打席12 二塁打1 三塁打0 四球3 盗塁0
出塁率.417 長打率.375 OPS.792
<二塁送球ベストタイム>
1.88秒
<各塁へのベスト到達タイム>
一塁到達:4.20秒(バント)
箱山は全国から有望な選手が揃う健大高崎でも1年秋から正捕手に定着。当時は下位打線を打つことが多かったが、一昨年秋の関東大会でも横浜高校のエースだった杉山遥希(2023年西武3位)から試合を決める3点タイムリーツーベースを放っている。
筆者が初めてプレーを見たのは、昨年11月に行われた「くまのベースボールフェスタ練習試合」での敦賀気比戦と近大新宮戦。下級生で唯一の試合出場ながら、堂々としたプレーは明らかに目立っていた。
昨年春の選抜は、初戦で報徳学園に敗れたものの、箱山自身は4番、キャッチャーとしてフル出場し2安打をマーク。その後に開かれた春の関東大会では、4試合で5安打、3打点と4番としての役割をしっかり果たして、チームの優勝に大きく貢献した。
強豪・健大高崎で歴代ナンバーワン捕手
昨年秋の新チームからはキャプテンにも就任。更なるレベルアップを見せたのが、選抜出場に向けての大一番となった関東大会準々決勝の対中央学院戦だった。
まず力を示したのがバッティングだ。ワンアウト一・二塁のチャンスで迎えた1回の第1打席、中央学院の好投手、蔵並龍之介(新3年)のチェンジアップをとらえてレフト前ヒットを放つ。
コースは少し甘かったものの、低めの決して簡単なボールではなく、並みの打者であれば空振りするか引っ掛けてゴロになりそうなところだが、箱山はしっかりと呼び込んで鋭く弾き返す。打球はあっという間にサードの横を抜けたため、セカンドランナーはホームインすることができなかった。だが、打球に角度がつけば楽に長打という当たりだった。チームはこの後、相手にバッテリーエラーで貴重な先制点をあげることになる。
そして、持ち味の守備でもさすがのプレーを見せる。1点を先制した直後の2回表、ワンアウトから連打を許して、一・三塁のピンチの場面だ。ここで中央学院の一塁ランナーは初球から盗塁を仕掛けてきたが、箱山は落ち着いた送球で楽々とアウトにして見せた。
健大高崎先発の佐藤龍月(新2年)は、その後の打者から見逃し三振を奪い、このピンチを0点で切り抜けている。試合の流れ的にも、この場面を無失点で抑えたことが非常に大きかったことは間違いない。
3度計測できたイニング間のセカンド送球タイムは、1.88秒、1.90秒、1.90秒といずれも高水準だ。コントロールの良さも目立った。地肩の強さだけでなくフットワークも良く、最終打席の一塁到達タイムも数字の出やすいバントだったとはいえ4.20秒をマークしている。また、周囲への指示を出すタイミングなどプレー以外の面でも目立った。
健大高崎は、これまでも長坂拳弥(阪神)や柘植世那(西武)ら多くの捕手をプロに輩出しているほか、戸丸秦吾(立教大新4年)と綱川真之佑(中央大新3年)も強豪大学で活躍している。チームを指揮する青柳博文監督は、「高校時点の実力は箱山が歴代の捕手でもナンバーワン」と認めるほどだ。昨年の選抜では1回戦で敗退しただけに、今年はチームを勝利に導く活躍を見せてくれることを期待したい。
文=西尾典文(にしお・のりふみ)
☆記事提供:プロアマ野球研究所