ロッテの八木彬は今季ここまでチームに“勝ち”を呼び込む投球で、ブルペン陣を支えている。
八木は24年途中にサブロー監督(当時二軍監督)の助言でツーシームを覚え、投球の幅を広げた。昨季はシーズン自己最多の27試合登板、5ホールドをマークするも、防御率は5.96。無失点の登板が多かった中で、1試合に大量失点してしまう登板が多かったのは非常にもったいなかった。
今季はイニング途中で登板した6月5日の巨人戦で2失点してしまったが、4月16日の日本ハム戦から5月9日のソフトバンク戦にかけて6試合連続無失点、5月17日のオリックス戦から5月26日の広島戦にかけて4試合連続無失点。イニング跨ぎでの登板が多い中で、4月22日のオリックス戦と4月25日のソフトバンク戦は2回1/3を無失点、5月9日のソフトバンク戦と5月24日の楽天戦は2回を無失点に抑えている。
今季、大量失点が少ない理由について「去年は際どい球とかがボールになって、ボール、ボールで甘いところにいって打たれる。基本そんな感じだったので、今年はファウルになるやろうと、思って投げています。そこの違いかなと思います」と自己分析。
投げている球種は昨季から変わっていないように見える。投球面以外での取り組みを何か変えたのだろうかーー。
「考え方の方で取り組みを変えた感じがありますね」。具体的にどういったところを変えたのか訊くと、「ファームにいた時に美馬コーチから“そんなええ球投げてるのになんで打たれてるの”と現役の時からずっと言われていて、もっと余裕を持っていこうと」と美馬学二軍投手コーチからポジティブなアドバイスをもらったことがきっかけになった。
「その考え方をして、ファウルになるやろと思って自分に自信を持って投げるというところを変えただけです。それで際どいところもストライクに入っていく感じですね」
球種の精度も「スライダーも自分の中で精度が上がってきていると思うので、まっすぐ、ツーシーム、フォークとならずにスライダーも使えていることが、幅広く使えているので余裕もって行けてるところでもあります」と明かした。
今季はチーム最多の5勝を挙げているように、流れを変える場面での登板が続いている。「自分の仕事はロング、長いイニングを投げることなので、四球を出したりすることもありますけど、バッターと勝負して打ち取るのが僕の仕事。流れとかは考えず、僕のピッチングをしているだけです」
投げている中で「スライダーだったり、ツーシームもそうなんですけど、厳しいところではなくて、ゾーン内で勝負できてしっかり打ち取れている。そこは甘くてもいけるなというのは、そこは自信あります」と力を込める。
フォークと共に武器の1つになっているツーシーム。覚えたての24年途中はツーシームを投げ始めて、ゴロで打ち取る面白さ、喜びを知ったと話していた。現在の考えについては「その時と出力も違いますし、今の方が球速帯は低いんですけど、その中でもしっかり抑えられている。動かしながらやる面白さはありますね」と教えてくれた。
「監督が使っていただけるところで、しっかりその場面でやることが僕の仕事だと思うので、まずは任されたところでやるだけです」。時に相手打線の勢いがついた中での登板もあり、勝ちパターンで投げる投手とは違った難しさのある役割だが、ここで結果を残し続け、序列を上げていき、シーズン通してブルペンを支えたい。
取材・文=岩下雄太