中日・井上監督 (C)Kyodo News

 セ・リーグの優勝争いは三つ巴の様相を呈している。阪神、ヤクルト、巨人が1.5ゲーム差以内にひしめきあい、3位・巨人と4位・DeNAは6ゲームの差。さらに大きく離れた最下位に沈んでいるのが中日だ。

 その中日は、交流戦で4連勝と絶好のスタートを切ったが、その後は1勝7敗。開幕から逆転負けが目立つ状況は変わらず、2年ぶりの最下位も視野に入る苦しい状況となっている。

 そんなチームを象徴するプレーが7日の西武戦で見られた。試合は1-1の同点で延長戦に突入。11回裏に1死満塁のサヨナラのチャンスを迎えた。

 打者は5番・板山祐太郎。今季、得点圏で.381の高打率を残している勝負強い打者だ。

 ところが、四球で出塁していた一塁走者の細川成也がまさかのけん制死。西武バッテリーと一塁を守るネビンの連係も見事だったが、三塁走者が返ればサヨナラという場面での痛い走塁ミスにはバンテリンドームに駆けつけた中日ファンも溜息を漏らすしかなかった。

 結局、西武に勢いを明け渡した中日は12回表に3点を失うと、その裏の攻撃も三者凡退。試合後に井上一樹監督は「あってはならないプレー」と、細川とともに一塁ベースコーチの判断にも苦言を呈したという。

 確かに状況を考えれば、細川のリードの大きさを指摘する声もあり、それに注意を促せなかったベースコーチにも一定の責任があったとの見方はできる。それでもSNSでは井上監督の采配を疑問視する声も少なくない。

「12回表になってから細川を花田(旭)に替えてましたが、そこで替えるならそもそも代走・花田ですよね。そこからまずかった」

「井上監督は何をするにも2歩3歩遅いんですよね、打つ手が……」

「確かに細川のミスなんだけど、選手を起用してるのは監督なんだから、監督にも責任があるだろう」

 昨季は新人監督として、3年連続最下位のチームを4位に引き上げた井上監督。しかし、今季は開幕から采配が裏目に出ることが多く、試合後には選手への厳しいコメントが注目を集めることもあった。

 成績低迷を受け、監督人事を巡る憶測もたびたび聞かれる。

 奇しくも今季は巨人が監督交代後に快進撃を見せている。もちろん要因はそれだけではないが、球界では体制変更がチームの空気を変えるケースも少なくない。

 今後の戦いぶり次第では、井上監督への責任論が一段と強まるかもしれない。交流戦の残り6試合で大きく負け越すようなら、シーズン途中の休養が一気に現実味を帯びそうだ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

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この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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