森繁和,
中日の森繁和監督

「ゼロからのスタート。走ることが、私の中のひとつです」

 第1クール最終日の囲み取材でこのように話した中日の森繁和監督。昨季19年ぶりに最下位に終わった中日の攻撃を振り返ると、チーム打率.245、89本塁打はいずれもリーグワースト、60盗塁もリーグ5位だった。上位進出へ、森監督は相手投手が嫌がる野球をテーマに掲げる。

 今キャンプは走る事を重点にした練習が増え、走塁の意識がより一層高まっている。ここまで練習試合を2試合行ったが、12日の韓国・ハンファ戦で近藤弘基、溝脇隼人、京田陽太が盗塁を決めれば、15日の韓国・KIA戦では、遠藤一星が2盗塁、溝脇、石岡諒太、亀沢恭平が1盗塁と4人で5盗塁を記録した。

 12日の韓国・ハンファ戦の2回無死一塁の場面では、昨季1盗塁でプロ通算4盗塁と俊足とはいえない一塁走者の堂上直倫が、アウトになったが盗塁を試みた。足が速い遅い関係なく、次の塁を積極的に狙うところを見ても、足を絡めた野球が浸透していることがわかる。

 また盗塁だけでなく、ヒットなどで積極的にその先の塁を狙う姿勢も見える。たとえば、ドラフト2位ルーキーの京田は、8日に行われたシート打撃で、第1打席レフト前ヒットで出塁すると、続く溝脇隼人の浅いライト前ヒットで俊足を飛ばして一気に三塁を陥れた。

 京田は12日のハンファ戦でも、4回一死一塁でビシエドの代走で登場すると、続く平田良介のセンター前に落ちるヒットで躊躇することなく三塁へ進塁。先へ先へと狙う走塁で日に日に存在感を増している。

 昨季までの中日といえば、足の速い選手はいたが、チーム最多の26盗塁を記録した大島洋平、球団歴代最多の通算373盗塁を記録する荒木雅博と盗塁する選手は限られていた。

 今季は京田を始め、遠藤、溝脇、亀沢など若手・中堅の走れる選手がアピールを続けている。“相手投手が嫌がる野球”を掲げる中日がシーズン通して、足を絡めた攻撃ができれば、セ・リーグをかき回す存在となりそうだ。

この記事を書いたのは

岩下雄太

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