坂口智隆,
ヤクルトの坂口智隆

◆ 野村監督時代には田畑、小早川が活躍

 ロッテを戦力外となった大松尚逸が、テスト生としてヤクルトのキャンプに参加し、昨季まで楽天の育成選手としてプレーしていた榎本葵が、支配下登録として入団した。

 ヤクルトといえば、野村克也監督時代に、トレードや自由契約にされて入団してきた選手の多くが、復活や才能を開化させたことから「野村再生工場」と呼ばれるようになった。

 野村監督時代に再生された選手のひとりに、95年オフにダイエーからヤクルトにトレードで入団した田畑一也がいる。田畑はダイエー時代に2勝しか挙げられなかったが、移籍1年目の96年に12勝をマーク。翌97年には15勝を挙げ、リーグ優勝に大きく貢献した。

 広島時代に4番を務めるなど、通算155発を記録した小早川毅彦は、96年オフに自由契約となりヤクルトへ移籍。97年4月4日の巨人との開幕戦では「5番・一塁」で先発出場し、斎藤雅樹から3打席連続本塁打を放ち、同年4年ぶりに2ケタ本塁打を記録した。

◆ 野村監督退任後も続く再生工場

 野村監督が退任後も、“再生工場”の流れは続いている。01年から05年まで指揮を執った若松勉監督時代には、入来智や鈴木健などが活躍。巨人から戦力外を受け、01年に入団した入来は強気な投球で、自己最多の10勝をマーク。

 鈴木は西武時代に4番を打つなどチームの中心選手だったが、次第に出場機会が減少。02年オフに金銭トレードでヤクルトへ移籍した。ヤクルトでは故障した岩村明憲に代わり、三塁のレギュラーに定着。打率.317、20本塁打、95打点と復活を果たし、カムバック賞を受賞した。

 その後も、木田優夫、森岡良介、山中浩史、坂口智隆などがヤクルトで復活、才能を開花させている。オリックス時代の11年に175安打を放ち最多安打のタイトルを獲得したことのある坂口は、12年以降故障や打撃不振で、15年オフに減額制限を超える契約提示を受け自由契約を選択し退団。

 新天地となったヤクルトで開幕から先発で起用され、安定した打撃を取り戻した。打率は3割に届かなかったものの、リーグ10位の.295。安打はチームトップの155本を記録した。ヤクルトで再び花を咲かせた選手といえるだろう。

 トレードや自由契約で加入した選手が“再生”したケースは多い。支配下選手として契約を結んだ榎本、入団テスト中の大松は契約を勝ち取り、復活することができるだろうか。

この記事を書いたのは

岩下雄太

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