◆ シーズン前の順位予想をふり返ろう
ベースボールキング編集部(以下、BK):昨日のセ・リーグ編に続いて、2017年パ・リーグの順位予想を振り返りたいと思います。(⇒ 2017年のプロ野球を予測する ~パ・リーグ編~)
八木遊(以下、八木):セ・リーグの方では打ちのめされたので、お手柔らかにお願いします。
【パ・リーグ最終順位】
1位 ソフトバンク
2位 西武
3位 楽天
4位 オリックス
5位 日本ハム
6位 ロッテ
【八木遊の開幕前予想順位】
1位 ソフトバンク
2位 楽天
3位 ロッテ
4位 日本ハム
5位 西武
6位 オリックス
◆ 楽天が開幕ダッシュを果たすも…
BK:パ・リーグの優勝予想はソフトバンクでした。実際、2位の西武に13.5ゲームの差をつける圧倒的強さを見せつけました。
八木:予想としてはソフトバンクの1強で、楽天、ロッテ、日本ハムの3球団がCS争いをするとみていました。
BK:実際は、開幕から楽天が白星を重ねて、夏場まではソフトバンクとの2強を形成しましたね。
八木:勢いという面で、このまま楽天が押し切るかもしれないと思わせるような強さでした。でも、故障者が続出して、8月以降は一気に失速しました。
BK:最終的には西武にも抜かれて3位でした。
八木:若い選手が多いですから、仕方ない面もあると思います。でもCSファーストステージで西武を下し、ファイナルステージでもソフトバンクから2勝を挙げました。この経験は、大きな財産となって来年以降につながると思いますね。
BK:セ・リーグの広島と同様に、しばらくはソフトバンクの1強でしょうか。
八木:ソフトバンクも広島も育成面が充実しています。ソフトバンクは時に「金満球団」とも言われますが、どちらかというと育成に力を入れていますからね。特に生きのいい若い投手が豊富です。「打倒・ソフトバンク」が11球団の合言葉になる時代が来るかもしれないですね。
◆ 日本ハム、ロッテが期待を大きく裏切る
BK:楽天、ロッテ、日本ハムがCS争いをするとみていたという部分に関してはどうでしょうか。
八木:楽天を2位に予想したのは、岸孝之の補強を評価しました。その岸は8勝10敗と負け越しましたが、クオリティスタート数はパ・リーグ最多の20に上りました。則本昂大との2本柱は来年も期待したいですね。
BK:ロッテと日本ハムはいかがでしょう?
八木:ロッテ3位の根拠は伊東勤監督の手腕を評価したのですが、打線があれだけ打てないとは…。監督も手の打ちようがなかったというところでしょう。日本ハムを4位と予想した理由は大谷翔平に故障の不安があったからです。良くも悪くも“大谷のチーム”となっていましたので、2017年はそれが悪い方に出てしまったかなと。
BK:そして、5位に予想した西武が2位に躍進しました。
八木:西武はルーキー・源田壮亮の活躍に尽きます。チームの弱点だった遊撃のポジションを埋めたことはもちろん、守備だけでなく攻撃面にも波及効果がありました。
BK:最下位に予想したオリックスは4位でした。
八木:今季に限っては、日本ハムとロッテが予想よりも大幅に苦しんだという印象です。オリックスは今秋のドラフト会議で的確な補強をしたので、来季の台風の目になるとみています。どちらにしても、パ・リーグはソフトバンクの黄金期が続くと思います。CSという制度がある以上、まずはAクラスに入って、下克上を狙うという戦い方に徹するチームも出てくるかもしれません。
BK:CS制度についてはまた改めて…。
八木:そうですね!ぜひ来年も引き続き順位予想をさせてください!
文=八木遊(やぎ・ゆう)