俊足強打の外野手
“令和最初”の夏の甲子園、『第101回全国高等学校野球選手権大会』が8月6日に開幕。今大会注目の選手たちをピックアップする『101回目の夏を彩る注目選手たち』で今回取り上げるのは、大会5日目となる8月10日の第3試合に登場する、“昭和最後”の王者でもある古豪・広島商(広島)の「韋駄天」天井一輝選手だ。
▼ 天井一輝(広島商)
古豪復活のキーマンと言える三拍子揃った俊足強打の外野手。
旧チームからクリーンアップを任せられていたが、抜群のスピードを生かし、新チームでは「1番」に転向。この夏は6試合で14安打、12得点と、リードオフマンとして期待通りの働きを見せてチームを牽引し、15年ぶりとなる夏の甲子園出場に大きく貢献した。
天井の魅力は、まずそのスピードにある。ベースを回ってからどんどん加速していくようなタイプもいるが、天井はトップスピードになるまでが速い。広島大会初戦の対広島工大高戦では、第1打席にセカンドのエラーで出塁。その時の一塁到達タイムは3.99秒をマークした。
4.00秒を切ればプロでも俊足と言われるが、この時は相手がエラーしたということもあって、最後は少し流して走っていた。最後まで全力で走っていれば、さらに速いタイムが出ていたことは間違いないだろう。決勝の対尾道戦でも、初回にピッチャー強襲の内野安打を放って出塁すると、すかさず盗塁を決めて大量点の足がかりを作った。
バッティングも膝の使い方が柔らかく、ミート力が高い。少し抜いたようなボールでもしっかり合わせて対応し、広角に鋭い打球を放つ。練習試合では“高校四天王”のひとり、西純矢(創志学園)からホームランを放っており、パンチ力も魅力だ。甲子園の大舞台でもそのスピードと打撃をいかんなく発揮してもらいたい。
▼ 地方大会の成績
6試合 打率.500(28-14) 5打点 3盗塁
▼ 第5日・8月10日(土)
第3試合:岡山学芸館(岡山)- 広島商(広島)<13:00>
文・写真=西尾典文(にしお・のりふみ)