2020.03.06 13:00 | ||||
阪神タイガース | 3 | 終了 | 0 | 北海道日本ハムファイターズ |
甲子園 |
563日ぶりの甲子園
“聖地”を沸かせた男が思い出のマウンドに帰ってきた。日本ハムの吉田輝星投手(19)が6日、甲子園で行われたオープン戦・阪神戦に3番手で登板し、走者を背負いながらも2イニングを無失点に抑えた。
吉田といえば2018年の夏、社会現象にもなった“カナノウ旋風”の中心にいた男。秋田・金足農高のエースとして臨んだ高校野球選手権で全試合に先発し決勝進出の原動力になったが、最後は藤原恭大(現ロッテ)、根尾昂(現中日)らを擁する大阪桐蔭打線に打ち込まれて準優勝。涙を飲んで“聖地”を後にしていた。
あの決勝以来、563日ぶりの甲子園登板となったこの日は、チームの3番手として6回から登板。
先頭のジャスティン・ボーアにいきなりストレートの四球を与え、続くジェフリー・マルテは外角いっぱいの速球で見逃し三振。6番・福留孝介の打席で代走・板山祐太郎の二盗を女房役・宇佐見真吾が阻止し、二死までこぎつけるも、福留には四球。再び宇佐見の盗塁刺でことなきを得たが、1イニング目は2四球、1三振という不安定な内容に。
2イニング目は7番・糸原健斗を右飛、8番・長坂拳弥を三ゴロと打ち取るも、二死から北條史也に145キロの速球を中前に弾き返されてしまう。
すると走者を背負ってから髙山俊、近本光司に対して連続四球を与えて満塁のピンチに。最後は中谷将大を外角低めいっぱいのスライダーで見逃し三振に打ち取ったが、2イニングで与四球4、被安打1と、制球に課題が残る苦しいマウンドだった。
昨季は一軍デビュー戦で初勝利を挙げるも、以降は打ち込まれる場面も散見され、負ければCS進出の可能性が消滅する9月22日のロッテ戦では1回0/3を投げて3失点のKO負け。ルーキーイヤーは4試合登板で1勝3敗、防御率12.27という成績で一軍シーズンを終えていた。
今回は二軍調整中だったが一時的に一軍に合流し、苦しみながらも2回無失点。“思い出の地”で得た結果と課題を飛躍へのキッカケにすることができるか――。2年目を迎えた未来のエース候補に引き続き注目だ。