広島・末包昇大 (C)Kyodo News

 広島は今季8月まで投手力を中心にした守り勝つ野球でリーグ首位を走るも、投手陣に疲労が見えた9月に失速。リーグ優勝を逃したどころか、68勝70敗5分のリーグ4位に終わった。

 課題は明白で打線。チーム打率.238、52本塁打はいずれもリーグワースト。415得点もリーグワースト2位だった。秋山翔吾が打率リーグ5位の.289、小園海斗がリーグ11位の.280とアベレージを残せる打者がいるが、長打という部分では坂倉将吾の12本塁打がチーム最高というのはかなり寂しい。二桁本塁打を放ったのも坂倉のみだった。

 外国人選手が機能しなかったこともあるが、とにかく長打力不足に喘いでいる。来季に向け、新外国人選手のモンテロ内野手、ファビアン外野手を獲得したが、長い目を見て日本人の長距離砲は必要不可欠。そういった意味で、長打力不足解消へ来季4年目の末包昇大が長打を打たなければダメだろう。

 昨季は65試合・146打席で自身初となる2桁11本塁打を放ち、今季に向けかなり期待が膨らんだが、今季は故障の影響で出遅れた。5月8日に初昇格を果たすと、5月19日の巨人戦で今季初本塁打を放つと、21日の阪神戦でも一発と2試合連続で本塁打。5月・18試合に出場して4本のアーチを描き、6月も2本塁打を放ったが、故障で離脱。8月に一軍復帰し3ホーマーも勝負所の9月は1本も本塁打を放てず。9月の月間打率も.171に終わった。結局、今季は79試合に出場して、打率.238、9本塁打、37打点だった。

 投手陣は九里亜蓮がFAでオリックス、矢崎拓也が現役ドラフトでヤクルトへ移籍したが、充実はしている。課題である長打力不足を解消するためには、末包には来季最低でも2桁本塁打、さらに20本以上の本塁打を放って欲しいというのが本音だ。

この記事を書いたのは

岩下雄太

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