ロッテの池田来翔は開幕二軍スタートだったが、4月25日に今季初昇格すると、2日のソフトバンク戦から8試合連続でスタメン出場する。
今季に向けて1月中の自主トレで「ポジションも空いたところがあればすぐに入り込めるように、まずは打撃で結果を出したい」と意気込み、都城春季キャンプで汗を流し、2月18日からの沖縄遠征から一軍キャンプに合流。2月・3月の練習試合・オープン戦で10試合に出場して、打率.125(16-2)とアピールできず。3月1日の韓国ロッテとの練習試合を最後に一軍の対外試合の出場はなく、「ファームでは一軍で活躍することだけをイメージしてやっていきました」とファームで過ごした。
昨年のシーズン最終盤、ファームで積極的に打っていく中で四球を選ぶ姿を見せていたが、今季もファームでは開幕してからボールを見極め、四球を選ぶことが多かった。
「打ちに行けていれば、ボールもああやって見逃せると思いますし、一軍ではそれができていないので、もうちょいボールに対してうちに入っていけるようにしたいですね」。
ファームで25試合に出場して、打率.289、2本塁打、10打点、出塁率.373の成績を残し、4月25日に一軍昇格。4月29日のオリックス戦では、0-1の7回一死一塁の第3打席、「必死に打ちました。タイムリーになって良かったです」と宮城大弥が1ボールから投じた2球目のフォークをレフト線に今季初安打となる適時二塁打を放った。
翌30日はベンチスタートとなったが、0-5の9回一死走者なしの場面に代打で登場し、「しっかりボールに対して、入っていけたので、あれは良かったと思います」と田嶋大樹が投じた外角のストレートをライト前に安打。本人も納得の一打となった。
バットで結果を残した池田は、5月2日のソフトバンク戦からスタメン出場を続け、4日のソフトバンク戦で3安打、9日と10日の西武戦で安打を放った。
チーム全体が打撃で苦しんでいる中で、“打てば”、一軍定着、スタメンを勝ち取るチャンスである。一軍定着するために池田は「守備もそうですし、打撃ももちろん、毎日1本ずつは結果を残したい」と力を込める。
池田は昨季、「いろんなことを試しすぎて、ちょっといい結果にならなかったと思います。自分の芯がなかった感じがします」と反省し、昨年ZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習では「(芯を持つために)自分を知ることが一番ですね。自分はどういう選手か、自分がどういうバッターか、それがわかっていないと見つからないと思います」と“芯”を持つことにこだわってきた。
春季キャンプ直前の1月下旬の取材で「芯ですか、徐々に見えてきてはいます」と話していたが、シーズンが始まった現在は「バッティング面なんですけど、今のところはしっかり確立できているのかなと。あまり彷徨うことなく、ワンポイント、ワンポイントだけを修正しながら、芯を持てていると思います」とのことだ。
「チームが下に落ちている状態なので、若手がしっかりといい勢いに乗せられるように頑張りたいです」。守備、走塁面に課題はあるが、チーム事情を考えれば、打って存在感を示すことができれば、継続して一軍で出場することができるはずだ。とにかく、打ってアピールしたい。
取材・文=岩下雄太