ロッテの横山陸人は先発での経験をしっかりとリリーフで活かしている。
横山は4月29日のオリックス戦、2-2の9回に登板し麦谷祐介に適時打を浴びサヨナラ負けを喫し、翌30日に一軍登録を抹消。ファーム降格後、2試合に先発登板し、5月22日のオリックス戦で一軍先発。ストレート主体の投球の打たせて取る投球で、「今自分のできるピッチングはできたのかなと思います。けどまだまだできなかったことや課題もたくさん見つけたので、まずは0で抑えることができて良かったなと思います」と、5回2被安打無失点で先発初勝利を手にした。
翌日に再び一軍登録抹消となり、ファームで先発の経験を積んだ。5月29日の巨人二軍戦では、6回・93球を投げ3失点にまとめ、6月5日のオイシックス(3回・55球・4失点)、6月10日のDeNA二軍戦(2回・36球・0失点)で先発した。
先発転向後も「そんなにストレートにこだわっていたわけではないですけど、それが自分のピッチングスタイルなので、自然と真っ直ぐが多かったのかなと思います」と変わらずストレート主体の投球。
先発で投げている時には、120キロ台のカウント球で投げるスライダーが活きているようにも見えた。
「長いイニング投げることによって、(スライダーの)球数も増えましたし、そういう意味では投げる機会が多くなったのかなと思います」。
先発では投球テンポも上がったように見える。
「二軍にいた時に、大家さんにチームで1、2番目に投げるテンポが遅いと言われたので、そこはしっかり改善しないといけないなと思っていたので、意識して早めに投げるようにしていました」。
◆ 再昇格後はリリーフ
6月13日に一軍に昇格。5月に入ってから先発を務めていたが、昇格後はリリーフを担当している。同日のヤクルト戦、「特に意識することなく、普通に先発をやっていたので、先発の時に投げている時の感じで投げていました」と、4-4の6回に登板すると3回を無失点に抑える好リリーフ。
3日前に2イニングとはいえファームで先発して2回・36球を投げ、短い登板間隔でのマウンド。肩、肘の張りや疲労が気になるところ。「しっかり体全体を使えているので、疲労感は分散されて投げられているかなと思います」と全く問題なし。
17日の阪神戦では、3-1の7回に登板し1回を三者凡退に抑えた。
先発を経て、リリーフで活きていることについて横山は「リリーフだと1イニングなので、強い球を放ろうと先行しちゃって、力んじゃったことが多かった。しっかり自分のコントロールできる範囲で自分の球が投げられているところがあったので、そういうところは(先発を)やって良かったのかなと思います」と話す。
横山は常々“ゼロに抑える”ことにこだわってきたが、先発を経験して考え方の変化はあったのだろうかーー。
「もちろん、無失点で抑えることが僕らの仕事だと思うので、1点取られてもいいというところもないので、そういうところはまだまだ意識してやっていければいいかなと思います」。
チームが浮上していくためには、横山の力は必要。「本当に投げろと言われたら投げますし、いつでもどこでも投げられる準備をしていこうと思います」。必要とされるポジションで、チームの勝利のため腕を振っていくつもりだ。
取材・文=岩下雄太
※お詫びと訂正
初出時に6月13日のヤクルト戦の登板を6-6の6回としていましたが、正しくは4-4の6回でした。大変申し訳ありませんでした。