ロッテ・小島和哉(撮影=岩下雄太)

 ロッテの小島和哉が14日の西武戦(ベルーナドーム)で通算1000投球回を達成した。

 プロ初登板となった19年4月4日の西武戦、「初めてプロの1軍のバッターと対戦して実力不足というか、しっかりレベルアップしないといけないと感じました」と、2回を投げ7安打8失点とほろ苦いデビュー戦になった。

 前半戦はファームで過ごし、後半戦は「最初一軍で投げて、そこで出た課題をしっかり下で取り組もうと思ってやって、上手くいくところといかないところがあったんですけど、それを上手くいかせたかなと思います」とローテーションの一員として投げ、1年目は54回1/3を投げた。

 「昨年(2019年)はいろいろ経験をさせてもらったので、それをしっかりと活かして、1年間投げることを目標にしているので頑張りたい」と意気込んだ2年目の20年は、規定投球回に届かなかったが113回1/3を投げ、シーズン通して一軍のローテーションに回った。

 3年目の21年は開幕からローテーションの一角として投げるも、「毎試合7回、8回安定して投げていかないとイニングも稼げない。1週間の登板で5回しか投げないのは、う〜んなんていうんですかね、“労働不足”だと思うので、長いイニングを投げられるようにと思っています」と、東京五輪による中断前まで、5勝を挙げるも、防御率は4.69。東京五輪明けは最初の登板こそ6回2失点で勝利投手になったが、8月25日の日本ハム戦で4回1/3を投げ3失点、続く9月3日の日本ハム戦も4回1/3を投げ5失点と、2試合連続で5回を持たずに降板していた。

 「僕は結構ネガティブなので、ポジティブな声をかけてもらって、それこそ僕が初めてプロ初完投した9月11日。2戦連続で打たれて、登板はないなと思っていたくらいなんですけど、登板のチャンスをもらえました。その時に美馬さんと話をしていて、“ファームでチャンスをもらえない子もいるし、今はチャンスをもらえているんだから、打たれたらとにかく練習すればいいじゃん”、“悲観的なメンタルでマウンドに上がるよりも、みんなの代表して投げているんだから、オジが打たれても誰も文句は言わないし、野球生活が終わるまではチャレンジして失敗しての毎日”。そういう話をしてもらったのを、今でもすごく覚えています。ちょっと調子が悪かったり、打たれたりした時も、本当にその時のことを思い出してというか、その時の気持ちを忘れないようにするために登場曲も題名だけでも『911』というのを使っているのもあります」と、当時現役だった美馬学現ロッテ二軍投手コーチから助言をもらい、9月11日の楽天戦(ZOZOマリン)、9回を一人で投げ抜き、自身初の完投勝利を挙げた。続く9月19日の日本ハム戦ではプロ入り初完封勝利を記録。9月11日の初完投をきっかけに調子を挙げた小島は、同年24試合・146回を投げ、10勝4敗、防御率3.76の成績を残し、自身初の規定投球回到達、二桁勝利をマークした。

 4年目の22年から背番号を『43』から『14』に変更し、「入団してから2年目のシーズンが120試合制で1年通して投げることができたんですけど、試合数が少ない。去年は一応規定投球回にいきましたけど、オリンピック期間で間があいている。実質1年間完走したわけではないと思っていて、休みの期間があったからいい意味でも悪い意味でも切り替えて、後半戦に臨むことができた。今年は僕にとって勝負の1年だと思っています」と強い覚悟で挑み、3勝11敗と負け越したが、143回1/3を投げ、2年連続規定投球回に到達。

 3年目の23年に入ってからは、“長いイニングを投げる姿勢”、“自覚”が言葉として現れるようになった。23年5月7日の取材で「若手のピッチャーもだんだん出てきて、なおさら僕が火曜日、水曜日の週頭に投げているので、できるだけ長いイニングを投げて僕の試合で中継ぎを使わないことを考えていけば後半とか、心置きなく中継ぎを投入できると思う。週頭で投げる時はいつもよりイニングをしっかりと考えて長い回を投げることを一番に考えてやっていきたいと思います」と話せば、同年6月9日の取材では「5イニング以上投げるのは週1回なので当たり前じゃないですけど、最低7回はいつも投げないとなと思っています」と話している。

 勝てば2位でCS進出、引き分けで3位でのCS進出、負ければ4位でシーズン終了という厳しい状況の中、スライド先発した10月10日の楽天戦、「誰に勝ちがついても良いと思っていたので、素直に嬉しいです。二桁と規定は先発で基準にしているところが少なからずあるので、それを達成できたのは嬉しかった。本当に勝てればよかったと思いました」と、7回を6安打無失点に抑え勝利投手になった。同年は158回1/3を投げ、2年ぶりの二桁10勝。

 同年はエース級と投げ合うことが増えた中で、「勝つのが一番いいですけど、負けたとしても長いイニングを消化できるようにというのは、曜日はじめとかは思っているので、どう見ても向こうがエース格だったら毎週連続して勝てるわけではないので、負けがつくかもしれないですけど、その中で長いイニングを投げる方が大事なんじゃないかなと思います」という想いを語っている。

 24年はシーズン自己最多の163回1/3、12勝を挙げた。4年連続規定投球回に到達したことについて、自身の中でどのように評価しているのだろうかーー。

 「あんまりローテに穴を開けることなく投げられているのは…。ローテーションで投げているピッチャー、投げさせてもらっている側からすれば、それは当たり前なのかなと思って、体調不良とかは仕方がないと思いますけど、それって監督と選手の信頼関係だと思うので、そこに関しては体の状態が良い時もありましたし、悪い時もありましたけど、しっかり監督との約束というよりかは、しっかり投げさせてもらっている責任はあると思う。穴を開けることなく投げられているのは少しは頑張っているのかなと思いますけど、話にならない成績なので。成績をしっかりついてこれるように頑張りたいと思います」(24年10月3日の取材)

 「計算してたら絶対180はいけなくない数字だと思っているので、そこまで投げたらほんとに1年間頑張ったなって言えると思うので、その数字もそうですし、優勝するにはしっかり自分で貯金を作らないとダメ」と強い決意を持って挑んだ25年は、先発ローテーション定着後初めて故障で離脱し、一軍登録抹消する時期もあったが、最終登板となった10月5日のソフトバンク戦で5回を投げ5年連続で規定投球回に到達。

 今季は春先状態が上がらず、ファームに落ちた時期もあったが、「長いイニングを投げられるのが自分の持ち味だと思っているので、理想は8回あたりは常にいけるようにと思っているので。最低限は今くらいできないとなと思っています。たくさん投げさせたいなとか、あいつに託そうと思わせられるような投球を続けられるようにと思っています」と、5月4日のオリックス戦から4試合連続で7回以上を投げた。

 ファームにいる期間や先発投手が遠征に帯同せずロッテ浦和での残留練習の時には、若手投手陣に声をかけている場面が目立つ。「1ヶ月くらいファームに落ちていた時にキャッチボールパートナーで若手の奥村、吉川とかと一緒にキャッチボールをしていました。去年とか一昨年よりもファームのピッチャーが投げている時に、毎回チェックしているのが今の日課になっていて、色々話して、僕もレベルアップができますし、若い子にも自分のやってきた経験を少しでいいものというか、いいか悪いかはわからないですけど、少しでも自分の経験を伝えられる機会が残留だと多いので、僕はすごいいいなと思っていますね」

 課題を1つずつ潰し、1イニング、1イニング積み重なった結果、プロ通算1000投球回に到達した。次は6年連続規定投球回に期待したいところ。現在5年連続で規定投球回継続中は小島と伊藤大海(日本ハム)のみ。なんとしても、6年連続規定投球回を達成してほしいところだ。

▼小島和哉の年度別投球回数

※は規定投球回到達

19年:54 1/3

20年:113 1/3

21年:146 ※

22年:143 1/3 ※

23年:158 1/3 ※

24年:163 1/3 ※

25年:145 ※

26年:80回

取材・文=岩下雄太

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この記事を書いたのは

岩下雄太

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