コラム

スロースタートでもタイトルは獲れる?過去5年の本塁打王シーズン第1号

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西武・山川穂高

意外な伏兵の一発が目立った開幕戦


 2020年のプロ野球ペナントレースがようやく開幕した。セ・リーグでは開幕投手を務めた大瀬良大地(広島)、西勇輝(阪神)が本塁打を放つという珍しい現象もあったが、この日に開催された6試合で、合わせて計8本塁打が飛び交うという華やかな開幕戦となった。


 開幕戦で本塁打を打った選手たちの顔触れを見ると、2020年のシーズン第1号を放ったビシエド(中日)や山田哲人(ヤクルト)ら打撃タイトルを獲得した経験のある打者が目立つが、3年連続の本塁打王獲得がかかる山川穂高(西武)など、本塁打王争いが予想される選手たちは不発に。

 新型コロナウイルスの影響でシーズンが120試合制に短縮されるため、今シーズンはとにかくスケジュールが過密だ。そのなかで戦う選手たちにとっても、未知なる世界だろう。積み上げ系のタイトル・本塁打王を狙うには、できるだけ早い段階で1本が出ると気持ち的にも余裕が出るはずだ。

 そこで、ここ最近の本塁打王のシーズン第1号はどのタイミングで出ていたのかを振り返ってみたい。


日本人打者は開幕6試合目がひとつの目安?


 調べたのは過去5シーズン(2015年~2019年)における、両リーグの本塁打王のシーズン第1号を放った試合数と、それまでに費やした打席数。さらに、1本塁打を打つのに何打数を費やしたかがわかる本塁打率もチェックしてみた。

▼ 2015年本塁打王
セ:山田哲人(ヤクルト)
シーズン:38本塁打
第1号:6試合目/25打席目
本塁打率:14.65

パ:中村剛也(西武)
シーズン:37本塁打
第1号:5試合目/18打席目
本塁打率:14.08

▼ 2016年本塁打王
セ:筒香嘉智(DeNA)
シーズン:44本塁打
第1号:3試合目/11打席目
本塁打率:10.65

パ:レアード(日本ハム)
シーズン:39本塁打
第1号:8試合目/32打席目
本塁打率:14.39

▼ 2017年本塁打王
セ:ゲレーロ(中日)
シーズン:35本塁打
第1号:3試合目/8打席目
本塁打率:13.40

パ:デスパイネ(ソフトバンク)
シーズン:35本塁打
第1号:14試合目/54打席目
本塁打率:13.65

▼ 2018年本塁打王
セ:ソト(DeNA)
シーズン:41本塁打
第1号:1試合目※/2打席目
※シーズン29試合目
本塁打率:10.14

パ:山川穂高(西武)
シーズン:47本塁打
第1号:2試合目/10打席目
本塁打率:11.51

▼ 2019年本塁打王
セ:ソト(DeNA)
シーズン:43本塁打
第1号:4試合目/14打席目
本塁打率:12.00

パ:山川穂高(西武)
シーズン:43本塁打
第1号:1試合目/4打席目
本塁打率:12.18

 故障で出遅れた2018年のソトを除いた9選手が開幕戦からスタメン出場を果たしているが、日本人選手は開幕2カード以内、30打席以内にシーズン1号を放つなど早めに打つ傾向があった。

 一方の外国人選手は、2016年のレアードや2017年のデスパイネのように、開幕3カード目以降になってからようやく一発が出た場合でも、その後に本塁打を積み重ねていた。実際にレアードもデスパイネも、5月に10本塁打以上放って一気に本塁打王争いに加わっている。故障で開幕スタメンを逃した2018年のソトは、前半戦終了時点ではわずか9本塁打と出遅れたが、8月~10月の3カ月だけで25本塁打を放って本塁打王のタイトルを獲得している。

 これを見る限り、本塁打が量産体制に入ると止まらない傾向にある外国人選手の場合は多少出遅れても問題ないようだが、日本人選手の場合は出場6試合目を過ぎると厳しくなる。これを過ぎてから本塁打を打った日本人選手で本塁打王になったのは、2005年の松中信彦(出場13試合目/52打席目)まで遡らなければならない。その松中に関しても、7月に10本塁打、9月に7本塁打を放って月間MVPを獲得しているように、どこかで量産体制に入る必要がある。

 いずれにしても、「早めの一発」が出ることに越したことはないが、パでは同一カード6連戦があるなど、例年とは異なる戦いを強いられる本塁打王を狙う選手たちの華麗なるアーチに今年も期待したい。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)
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