エンゼルス・大谷翔平

◆ 投打で大車輪の活躍

 海を渡っても“二刀流”旋風は止まらない。

 現地時間12日(日本時間13日)のロイヤルズ戦で自身初の“申告敬遠”を受けると、直後の打席では満塁から走者一掃の適時三塁打をマーク。メジャー初となる三塁打を記録すると、現地13日の試合では初めての二塁打を含む2安打。8回には決勝のホームを踏むなど、勢いに
乗るチームを引っ張る活躍を見せている。

 ここまで打者として10試合に出場し、打率.367で3本塁打、11打点。出塁率と長打率を足したOPSは1.191という凄まじい成績。加えて、投手としても2試合に先発して2勝負けなし。防御率は2.08。投打にわたって高水準の数字を並べている。

 ただし、どうしても“両立”を目指していく分、打者としては規定打席に届いておらず、投手としても規定投球回には達していない。現実離れした活躍ぶりは大きなインパクトを残す一方、数字での評価という点では難しい部分が多い。

 そこで、今回は投手・野手共通の目標になる“勝利への貢献”という点に注目。メジャーでは頻繁に用いられる「WAR(Wins Above Replacement)」という指標で大谷のすごさを紹介したい。

◆ 勝利への貢献度

 「WAR」とは、様々な指標を総合して“どれだけ勝利に貢献したか”を表すもの。これまで難しかった投手と打者の評価を同じ土俵で比較できるなど、選手の総合力を見るのに頻繁に用いられる。WARには幾つかの算出方法があるが、今回は大手データサイト『Fangraphs』のものを見ていきたい。

 『Fangraphs』によると、大谷の打者としてのWARはメジャー31位タイの「0.5」。投手としては、メジャー15位タイの「0.5」と算出されている。単独で見るとそれほどだが、投打のWARを合計すると「1.0」。一気にメジャー全体で2位タイに躍り出る。

【WARランキング】
1位 1.3 マット・チャプマン(アスレチックス/内野手)
2位 1.0 大谷翔平(エンゼルス/投手) ※投0.5:打0.5
2位 1.0 マックス・シャーザー(ナショナルズ/投手) ※投0.9:打0.1
2位 1.0 ゲリット・コール(アストロズ/投手) ※投0.8:打0.2
2位 1.0 ホセ・ベリオス(ツインズ/投手)
2位 1.0 ディディ・グレゴリアス(ヤンキース/内野手)
※現地13日終了時点

 現時点で1.0以上の数字を残している選手は、メジャー全体で見てもこの6人だけ。ちなみに、トップの「1.3」をマークしているチャプマンといえば、大谷がメジャー初被弾を許した因縁の打者だ。

 さらにこの後、7位タイには大谷のチームメートであるマイク・トラウト(エンゼルス)と、昨季のア・リーグ本塁打王アーロン・ジャッジ(ヤンキース)が「0.9」で続く。大谷は早くもメジャーを代表する選手たちに匹敵する貢献度を示しているというわけだ。

 大谷が“二刀流”を貫く限り、投手・打者どちらか一方でMVP級の数字を残すことは不可能だろう。しかし、その凄まじい働きぶりはこうした指標にしっかりと表れてくる。

 ちなみに、昨季のWARトップは投手がクリス・セール(レッドソックス)の7.8、野手がアーロン・ジャッジ(ヤンキース)の8.2。大谷はシーズンを通してその数値をどこまで向上させることができるだろうか。今から楽しみだ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

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この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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