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開幕一軍も
「シーズン序盤に二軍に落ちましたし、1年通して一軍にいられなかったのは悔しかった。特に前半戦はチームに貢献できなかったので、悔しかったです」。
ロッテの岡大海は、移籍2年目の今季、納得のいくシーズンを送れなかった。開幕一軍を掴むも18打数0安打と結果を残すことができず、4月15日に二軍落ち。「堀さん、福浦さんから下半身のアドバイスをいただき、ファームでもう一度下半身を使って打とうとやってきた」。降格後ファームで打率.318(22-7)、2本塁打、3打点の成績を残し、4月27日に一軍再昇格を果たした。
今季22打席目となった5月3日のオリックス戦で今季初安打を放つと、6日の日本ハム戦では今季初本塁打を含むマルチ安打をマーク。交流戦に入ってからはスタメンでの出場機会を増やし、6月16日の中日戦では「打った感じはよかったですし、あんなに飛ぶとは思わなかったです」と日本ハム時代のチームメイト・谷元圭介からバックスクリーンに豪快の一発を放った。
走塁で存在感
交流戦でアピールするも、交流戦終了後は再び途中出場が増えた。
「相手の傾向を叩きこむというわけではないですけど、相手のピッチャーの映像を見てしっかり準備してやっています」。
「自分で塁にいって走っているわけではなく、いきなり塁上に立っていくので、リズムがないというのがある。しっかりスタートを切るイメージを想定して、塁上に立つようにしています」。
代走で出場したときは、入念な準備が好結果に結びついた。7月28日の楽天戦では3-3の9回、四球で出塁した井上晴哉の代走で登場すると、続く中村奨吾の初球に二盗。柿沼友哉の捕手前のバントも、素早いスタートで三塁間一髪セーフとなり、清田育宏の適時打でサヨナラのホームを踏んだ。
8月20日の楽天戦では、1-2の7回一死走者なしからレフト前安打を放った井上の代走で登場。角中勝也が放った打球が一塁ベースに直撃し、一塁線を転々としている間に一気に一塁からホームインした。
シーズン終盤は打撃でもアピール
9月に入ると『1番・センター』でチームを引っ張っていた荻野貴司が一軍登録を抹消されたこともあり、その期間は1番を任された。
『1番・センター』で出場した9月9日のソフトバンク戦では、第1打席に二塁打を放つと、3回の第2打席では第6号2ランを放つ活躍ぶり。荻野が復帰後は再びベンチスタートとなったが、9月14日の西武戦では2-3の9回に代打で登場し、守護神・増田達至のストレートをセンター前に弾き返すタイムリーを放った。
シーズン終盤は打撃面でも存在感を見せた岡は「後半戦は良い部分も出せたのもあります」と自己評価。だからこそ、「年間通してやっていかないといけないと改めて思いました」と実感した。
走塁、守備はチームに欠かせない存在ということを考えれば、レギュラーを奪うためには打撃向上が必須。本人も「僕の場合は走攻守、全てでアピールしていかないといけないと思います。その3つを何ひとつ欠けることなく、やっていかないといけないと思います」と自覚する。持っている能力は高い。来季こそレギュラーの座を奪いたいところだ。
取材・文=岩下雄太