数字では分からないロッテの強さとは
東京オリンピックの影響もあり、長いシーズンとなった2021年も残りわずか。12月21日には、CSフジテレビONE『プロ野球ニュース2021』で1年を締めくくる毎年恒例の「年末大反省会SP」を放送し、同番組の解説陣が今季のプロ野球を振り返りつつ、各球団の今季をプレイバック。識者たちが2年連続で2位となったロッテの投打の総合力を評価した。
今季のロッテはリーグ5位のチーム打率.239にも関わらず、同1位の584得点。また、同1位の107盗塁を記録した。一方の投手陣は、リーグ5位のチーム防御率3.67で、失点数も同5位の570失点。得失点差はわずか「14」ながらロッテが2位でシーズンを終えた理由について、各解説陣がそれぞれの見解を述べた。
まず、高木豊さんは「昨年より先発が勝ち星を拾えず、最後にマーティンの骨折が痛かった」としつつ、「得点が取れるようになって足も使える。言うことはない」と主張。得点力の要のひとりだったマーティンの離脱に触れつつ、走力と長打力で得点力をアップさせたことを評価した。
しかし、その一方で「若い野手が伸びそうで伸びない。安田(尚憲)でも藤原(恭大)でも、このあたりに勢いが出てくると、チームの雰囲気が変わってくると思う。井口監督も我慢して使っている」と指摘し、若手がシーズンを通して活躍できていない現状を今後の課題に掲げた。
また、池田親興さんは「外国人を含め、新しい選手がいいところにきっちりハマった。国吉や、唐川のいないところに佐々木千隼など、そういった選手たちがきちっとハマっていく采配が良かった。集中力も高いし、強いチームであるのは間違いない」と述べ、シーズン途中に加入して勝利の方程式の一角を担った国吉佑樹や、セットアッパーとして活躍の場を得た佐々木千など、新たな戦力の起用と活躍をポイントに挙げた。
さらに、笘篠賢治さんは「切り込み隊長の荻野が1年間、しっかり戦い抜けた。常にスタメンの中でトップバッターとして引っ張ってくれたことがひとつ。長打力という部分では、マーティンとレアードが頑張ってくれた。マーティン離脱時にちょっとというところが今年もあったが、長打も足もあって全体的にはバランスのとれたチームだった」とコメント。長打と足で効率よく得点を重ねられたことを評価した。
解説陣のコメントを振り返ると、チーム全体の機動力と、レアード、マーティンの両助っ人による長打力で得点を積み重ねられたこと。さらには、終盤のリリーフ陣の安定感がチームに接戦での強さをもたらしたと言えそうだ。来季は悲願のリーグ制覇に向け、今季思うような結果を残せなかった先発陣の奮起にも期待したい。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』