オリックスの宇田川優希投手が、宮崎県内で開催中の「みやざきフェニックスリーグ」で、復帰に向け2度目のスタートを切る。
「フェニックスは1年目に行って以来ですね。ブルペンでの感覚もよく、明かりが見えてきました」。10月初旬、大阪舞洲の球団施設のブルペンで約40球を投じた宇田川が声を弾ませた。
2025年の春季キャンプ中に右ひじを痛め、3月11日にトミー・ジョン(TJ)手術を受けた。育成選手として迎えた6年目の今季、回復は順調にみえた。今年3月12日にはライブ打撃に登板し、1週間後の社会人との練習試合で552日ぶりに実戦マウンドに立った。4月の登板はひじの違和感もあり1試合にとどまったが、5月にはファーム公式戦4試合と練習試合1試合に登板するまでに回復した。
しかし、手術後のひじは万全の状態とはいえないものだった。出力が上がった分、投げた後に痛みが襲ってきた。「球速は154、155キロが出るんですが、僕の場合、すごい反動がきて投げては休むの繰り返しで、うまくはいかなかったんです」。順調すぎた反動だけでなく、焦りもあったという。「試合で投げたい、支配下になりたいと焦って焦って。どんどん状態を上げようとしていたんです」
7月15日の社会人との練習試合に約2か月ぶりに登板したが、15球を投じたところで緊急降板。以後、リハビリの日々が続いた。支配下登録直前のアクシデントで支配下復帰の目標もかなわなかったが、宇田川は4月中旬に支配下の可能性を感じていなかったという。「4月に違和感があり投げるのを止めて、そこで諦めがつきました。今年の支配下は厳しいと感じました」と明かす。
約3か月のリハビリ期間中、フォームを見直した。「いろいろ考えてやってきましたが、原因はフォームだけではないんじゃないかなと。変な力が入ったり、力を入れる場所や入れない場所もごっちゃになっていたりする感じで。ひじに負担がかからないように投げていましたが、それが逆に負担になっていたかもしれません。柔軟性の部分ができていなかったので、エクササイズにも取り組んでいます」という。
リハビリ中、チーム情報などからは距離を置いている。「試合などは見ていません。投げたくなるじゃないですか。刺激をもらうことはいいと思いますが、悪い方になるといけないので。今は僕がやることに集中しています」。春先は、同学年で親しい山崎颯一郎投手や1軍の投手の投球を映像で見て復帰への原動力にしてきたが「早く投げたい、ここで投げたいという気持ちが強くなり過ぎたんです。(首脳陣らに)『宇田川はもう大丈夫だ』と思ってもらえるように、毎日やっていてそれがよくなかったのかなと」
ブルペンでの投球は、10月に入り9月の週2回から3回に増えた。球速は145キロ前後で伝家の宝刀、フォークボールも投じる。「今は、球速より(ボールの)質を求めています。ホップ成分などは当初に試合復帰した時よりよくなっています。時間がかかりましたが、復帰した時にその分、返ってくるのかなと思います。同じことを繰り返さないためにも、焦らず来季に向けてやっていきたい」。フェニックスリーグには今月中旬に合流する予定。3年ぶりの1軍登板に向け期待が高まる。
取材・文=北野正樹