コラム 2022.04.04. 07:08

元ヤクルト選手のジュニアも躍動!社会人野球「スポニチ大会」で活躍した2023年のドラフト候補たち

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ENEOS・度会隆輝選手 [写真提供=プロアマ野球研究所]

来年秋の注目株


 甲子園球場で行われた『第94回選抜高等学校野球大会』は、大阪桐蔭の4年ぶり4度目の優勝で幕を閉じた。

 主要カテゴリーで最初に行われた全国規模の大会とあって、秋のドラフト会議を見据えるうえでも大きな注目を集めたが、そのセンバツに先駆けて行われていた注目の戦いがある。3月6日から10日まで開催された、社会人野球の『JABA東京スポニチ大会』だ。




 こちらは全国大会ではないものの、主要カテゴリーの中の最初の公式戦とあって、毎年多くのスカウトが視察に訪れる。

 前回のコラムでは今秋のドラフト指名対象となる選手を取り上げたが、今回は来年・2023年のドラフト候補について先取りでご紹介したい。

 (※選手の年齢は2022年の満年齢)



スカウト陣を驚かせた一発


 まず強烈なインパクトを残したのが、今年が高校卒2年目となるENEOSの度会隆輝(20歳・外野手/横浜高)だ。

 父はヤクルトでユーティリティープレイヤーとして活躍した度会博文氏。高校時代からその打棒は注目を集めていて、昨冬の都市対抗野球でもルーキーながら存在感を発揮した。


 今大会でも、開幕戦となる三菱自動車倉敷オーシャンズ戦でいきなりの先頭打者本塁打。見事な一発をライトスタンドに叩き込み、スタンドのファンとスカウト陣を驚かせた。

 さらに翌日の日本製鉄かずさマジック戦でも、1点を追う6回に同点に追いつく本塁打を放ち、チームの勝利に大きく貢献。4試合で安打は3本と打率は低かったものの、凡打でも内容の良い打席が目立つ。本塁打のインパクトの大きさもあって、大会の新人賞を受賞した。


 中学時代からバットコントロールには天才的なものがあったが、社会人になって確実に長打力がアップしている印象を受ける。また、高校時代には流して走ることも多かったが、走塁に対する意識が高くなったほか、ライトから見せる返球にも強さが出てきた。高校卒の社会人野手では、久しぶりに“ドラフトの目玉”となる可能性を秘めた選手と言えるだろう。


JR東日本東北・大西蓮が「4番の働き」


 度会と同じ高校卒2年目の野手では、JR東日本東北の大西蓮(20歳・外野手/履正社高)もまた楽しみな素材だ。

 初戦の鷺宮製作所戦で3安打を放てば、第3戦のヤマハ戦でも本塁打を含む2安打・2打点。4番として十分な働きを見せた。

 たくましい体格は今年で20歳とは思えず、ボールを見る形が安定しているのも大きな長所。まだ全国的な知名度や注目度はそれほど高くないが、今大会のようなバッティングを継続していけば、来年のドラフト戦線に浮上してくる可能性は高い。


 大学卒1年目の野手では、日立製作所・東怜央(23歳・一塁手/福岡大大濠高→立教大)、セガサミー・黒川貴章(23歳・遊撃手/新田高→亜細亜大)、日本新薬・若林将平(22歳早生まれ・外野手/履正社高→慶応大)の右の強打者3人が存在感を示した。

 東はルーキーながら4番を任されると、初戦のセガサミー戦でいきなり4安打をマーク。続く西濃運輸戦でも決勝の犠飛を放つなど、首脳陣の期待に応えた。タイミングをとる動きが小さく、インパクトの強さも抜群で、多少体勢を崩されても外野まで持っていくことができる。高校時代からの持ち味であるパワーは社会人でもトップクラスだ。

 一方、黒川は初戦こそ不出場だったものの、2戦目の日立製作所で3番に抜擢されると本塁打を含む3安打・4打点の大活躍。亜細亜大時代は能力の高さはありながらもバッティングに迷いが見られたが、この試合では吹っ切れたようなフルスイングが目立ち、改めて能力の高さを見せた。この活躍をきっかけに、レギュラー定着が期待できそうだ。

 若林は3試合で2安打に終わるも、そのいずれもが本塁打と長打力を存分にアピール。特に初戦の日本製鉄かずさマジック戦で放ったライトへの一発は打球の伸びが素晴らしかった。

 3人とも打撃以外のプレーには課題が残るとはいえ、近年プロからの需要が高まっている強打者タイプの選手だけに、今後も楽しみな存在だ。


投手で目立った選手は…?


 投手では、野手に比べると目立つ選手が少なかった。その中で将来性の高さを感じさせたのが、JR東日本東北・佐藤旦有夢(20歳/中越高)とJFE東日本・長谷川稜佑(23歳/足立学園高→青森大)である。

 佐藤は東芝戦とヤマハ戦にリリーフで登板。いずれも失点を許したものの、3イニングで4奪三振を記録し、東芝戦では最速146キロをマークしている。

 まだ重心が不安定なところもあり、下半身や体幹の強さは物足りないが、いかにも投手らしい体つきでリーチが長く、豪快な腕の振りは大きな魅力だ。しっかり鍛えれば、近いうちには150キロを超えてくる可能性も高いだろう。

 長谷川は青森大時代から注目されていた、最速155キロを誇る右腕。今大会はJR九州戦で先発を任され、1回0/3で4失点と悔しい社会人デビューとなった。

 それでも、ストレートの最速は147キロをマークするなど、大器の片鱗は見せている。直前のオープン戦では安定した投球を見せており、1年目から主戦としての活躍が期待されるだけに、今後の大会での巻き返しに期待したい。


☆記事提供:プロアマ野球研究所
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