大台超えは38人に

　プロ野球における“一流”の定義は様々あれど、ひとつの指標として挙げられるのが「年俸1億円」という大台──。

　12月に入り、オフシーズン真っ只中の野球界。各球団で日々進められている契約更改のなかでも、「1億円プレーヤー」というところにスポットを絞って紹介していくのがこの企画。12月4日は10球団で契約更改が行われ、この日は9名が年俸1億円以上で判を押した。（※金額は推定です）


　連日飛び込んでくる関連ニュースのなかでも、特に大きな注目を集めているのがパ・リーグ連覇を果たした西武の契約更改。この日も景気の良い話題が立て続けに舞い込んできた。

　まずは、3年ぶりに盗塁王のタイトルを獲得するなど、攻守に欠かせない存在感を発揮した金子侑司がプロ7年目にして初の大台突破。大幅アップもさることながら、何よりもファンを驚かせたのがその契約内容で、「年俸変動制の4年契約」を結んだことだ。

　順調にいけば来季中にもFA権の取得が見込まれている29歳だが、その前年に複数年契約を結んだというのは異例。特に西武といえば毎年のように主力がチームを離れていくのを見送るしかない冬が続いていただけに、金子の「よそ（他球団）の話を聞いてみたいという気持ちが芽生えなかった」という言葉には思わず涙を流したファンもいたかもしれない。

　その後もベテランの栗山巧や増田達至といった選手たちがアップ更改を続けたなか、この日の主役となったのが森友哉。負担の大きい捕手というポジションながら首位打者に輝くなど、攻守両面でチームを支えた今年のリーグMVP男は、昨年の8000万円から“大台超え”は確実視されていたところではあったが、結果は1億2000万円増の2億円。これには本人も「ビビりました」と率直な心境を吐露しつつ、「より一層頑張らないといけない」と気を引き締めた。


　西武勢以外では、日本ハムの有原航平が初の大台突破。苦しかった近年を乗り越え、15勝を挙げて最多勝に輝いた右腕は大幅なアップを勝ち取り、将来的なメジャー挑戦の意志も表明している。


　12月4日終了時点での年俸ランキング（1億円以上）は以下の通り。

（※金額は推定）

2020年・年俸ランキング

1位　65000万円　菅野智之（巨人／投手）
2位　50000万円　浅村栄斗（楽天／内野手）
3位　45000万円　丸　佳浩（巨人／外野手）
4位　35000万円　中村剛也（西武／内野手）
5位　34000万円　青木宣親（ヤクルト／外野手） ☆4日更改
6位　30000万円　岸　孝之（楽天／投手）
6位　30000万円　増井浩俊（オリックス／投手）
6位　30000万円　陽　岱鋼（巨人／外野手）
9位　29000万円　中田　翔（日本ハム／内野手）

10位　25000万円　大島洋平（中日／外野手）
11位　20000万円　森　友哉（西武／捕手） ☆4日更改
11位　20000万円　宮西尚生（日本ハム／投手）
11位　20000万円　西川遥輝（日本ハム／外野手）
11位　20000万円　吉田正尚（オリックス／外野手）
15位　19000万円　増田達至（西武／投手） ☆4日更改
16位　18000万円　金子弌大（日本ハム／投手）
16位　18000万円　平田良介（中日／外野手）
18位　16000万円　宮﨑敏郎（DeNA／内野手） ☆4日更改
19位　15400万円　澤村拓一（巨人／投手）

20位　15000万円　栗山　巧（西武／外野手） ☆4日更改
20位　15000万円　近藤健介（日本ハム／外野手）
20位　15000万円　炭谷銀仁朗（巨人／捕手）
20位　15000万円　田中広輔（広島／内野手）
24位　14500万円　有原航平（日本ハム／投手） ☆4日更改
24位　14500万円　中﨑翔太（広島／投手） ☆4日更改
26位　14000万円　源田壮亮（西武／内野手）
26位　14000万円　岡本和真（巨人／内野手）
28位　12000万円　金子侑司（西武／外野手） ☆4日更改
29位　11000万円　亀井善行（巨人／外野手）
29位　11000万円　伊藤　光（DeNA／捕手）

31位　10000万円　平井克典（西武／投手）
31位　10000万円　明石健志（ソフトバンク／内野手） ☆4日更改
31位　10000万円　島内宏明（楽天／外野手）
31位　10000万円　秋吉　亮（日本ハム／投手）
31位　10000万円　大田泰示（日本ハム／外野手）
31位　10000万円　山岡泰輔（オリックス／投手）
31位　10000万円　大　和　（DeNA／内野手）
31位　10000万円　大野奨太（中日／捕手）


※12月4日終了時点・金額は推定