ニュース 2020.05.11. 17:13

「移動リスク」を考慮して、日本にも地区制を…?MLB流の“3地区制”について真剣に考えてみる

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球場に活気が戻る日は…? (C) Kyodo News

もしも日本のプロ野球を3地区に分けるとしたら…?


 日本野球機構(NPB)とJリーグが設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」が、11日にWeb会議システムを通じて行われた。

 プロ野球のシーズン開幕が見合わせとなってから約1カ月半…。ここに来て「6月19日開幕」という具体的な日程について報じるメディアも出てきていた中、NPBの斉藤惇コミッショナーは「日本の状況は予断を許さない、第二波、第三波の可能性もある。この時点で開幕の日付を決めるのは難しいのではないか」と専門家から提言を受けたことを明かし、この日の具体的な開幕日についての言及はなし。

 今後については、「前のめりになりたくなるが、前のめりになりすぎず、考えていきたい」と、慎重を期すことを強調している。


 シーズン開幕から日程を消化していくうえで、壁となってくるのが「移動リスク」の問題。終息の見込みが見えない中、チーム単位で各地を転々として行くのは、当然ながらリスクを伴う。そのため、同じく開幕を見合わせているアメリカ・メジャーリーグでは、今季に関してはリーグの枠を取り払って“地区”を重視した戦いにしていくなど、移動をなるべく避けるための具体的な対策も話し合われているようだ。

 そんな話題もあったので、今回はそれを日本のプロ野球に当てはめてみたら…?という実験企画。プロ野球の12球団をスタジアムの所在地をもとに、前年順位のバランスも見ながら、3地区に分けてみた。


東地区:セ界王者に挑むパの3球団


▼ 東北楽天ゴールデンイーグルス(パ3位)
・スタジアム所在地
一軍:宮城県仙台市
ファーム:宮城県宮城郡利府町ほか

▼ 千葉ロッテマリーンズ(パ4位)
・スタジアム所在地
一軍:千葉県千葉市
ファーム:埼玉県さいたま市

▼ 北海道日本ハムファイターズ(パ5位)
・スタジアム所在地
一軍:北海道札幌市
ファーム:千葉県鎌ケ谷市

▼ 読売ジャイアンツ(セ1位)
・スタジアム所在地
一軍:東京都文京区
ファーム:神奈川県川崎市


 東地区は日本ハム・楽天・ロッテ・巨人という4チーム。

 なお、ここでは“無観客での開幕は避けられないだろう”という想定のもと、日本ハムは今季に限ってファームの本拠地である「ファイターズ 鎌ケ谷スタジアム」を中心に戦う方針。すると、日本ハム・ロッテ・巨人の3球団間の移動は大幅に縮小できる。札幌ドームをはじめとする本拠地・北海道での開催については、ファンの球場への入場が解禁となってから考える形だ。

 地区の構図としては、昨年のセ・リーグチャンピオンにパの3チームが挑むという形。セ・リーグ勢は交流戦や日本シリーズで苦戦が続いているものの、巨人は昨季の交流戦でリーグ最上位の全体3位と奮闘。日本ハム・楽天・ロッテの3チームに対して、いずれも「2勝1敗」で勝ち越している。


中地区:“下剋上”に注目


▼ 埼玉西武ライオンズ(パ1位)
・スタジアム所在地
一軍:埼玉県所沢市
ファーム:埼玉県所沢市

▼ 横浜DeNAベイスターズ(セ2位)
・スタジアム所在地
一軍:横浜市中区
ファーム:神奈川県横須賀市ほか

▼ 中日ドラゴンズ(セ5位)
・スタジアム所在地
一軍:愛知県名古屋市
ファーム:愛知県名古屋市

▼ 東京ヤクルトスワローズ(セ6位)
・スタジアム所在地
一軍:東京都新宿区
ファーム:埼玉県戸田市


 中地区は西武・ヤクルト・DeNA・中日という4チーム。

 ここは東地区と反対にパ・リーグ王者に対してセの3チームが挑んでいくという構図。ヤクルトは1997年に、DeNA(横浜)は1998年に、中日は2004年に西武と日本シリーズを戦っており、その時の印象がまだ残っているというファンの方も多いのではないか。

 地区制になることにより、中日は昨季10勝15敗の広島と、ヤクルトは9勝14敗2分の阪神との対戦がなくなる。苦しめられた天敵との戦いがなくなることをプラスに変えて、パ・リーグ王者とDeNAにどれだけ食らいついていけるか。前年からの“下剋上”の可能性も、大いにありそうだ。


西地区:日本一3連覇チームへの挑戦


▼ 福岡ソフトバンクホークス(パ2位)
・スタジアム所在地
一軍:福岡県福岡市
ファーム:福岡県筑後市

▼ オリックス・バファローズ(パ6位)
・スタジアム所在地
一軍:大阪府大阪市
ファーム:大阪府大阪市

▼ 阪神タイガース(セ3位)
・スタジアム所在地
一軍:兵庫県西宮市
ファーム:兵庫県西宮市

▼ 広島東洋カープ(セ4位)
・スタジアム所在地
一軍:広島県広島市
ファーム:山口県岩国市


 最後に西地区はオリックス・阪神・広島・ソフトバンクの4チーム。ここは順当に、地図上の西から4つという選出になる。

 ここの争点となるのは、やはり日本シリーズ3連覇中のソフトバンクをいかにして止めていくのか、というポイント。昨年は交流戦でも頂点に立った王者だが、そのチームに1勝1敗1分と必死に抵抗を見せたのが阪神だった。矢野体制2年目、さらなる奮闘に期待がかかる。

 一方で、ソフトバンクにとっては天敵・ロッテと戦わなくていいという上積みもある。昨季は年間で14の貯金を作ったチームが、ロッテに対してだけは8勝17敗と大きく負け越し。シーズン終盤の失速、西武に逆転優勝をされた大きな要因がそこにあった。圧倒的な力を見せつけ、日本一4連覇への道を突き進むことができるだろうか。


あくまでも「妄想」です


 なお、ポストシーズンは各地区の優勝チームに、2位の中で最も勝率の高かったチームをワイルドカードとして加える4球団での開催をイメージ。「全体勝率1位 vs. ワイルドカード」・「全体勝率2位 vs. 全体勝率3位」の準決勝からはじまり、日本一を決する。もしその時も予断を許さない状況が続いている場合は、中立地での“集中開催”という形になるか。

 自粛生活も長くなり、「早く野球が見たい…」というファンの方も大勢いることだろう。ファンの厳しい「#stayhome」生活を充実させるためにも、無観客でも良いから一日でもプロ野球の開幕を…。そんな想いから、ここまで“3地区制”という妄想を真剣に考えてみました。


 ちなみに、斉藤コミッショナーは「状況が良くなれば開催できる体制を作っていくことが大事」と語っており、こうした“移動リスク”を踏まえた案などについても、「具体的な話をしている段階ではない」とコメント。「球団や自治体の考えもある」として、可能性は考慮しつつも、まだ議論の段階にないことを明かしている。

 5月に入って急激に気温が上がっても、なかなか見えてこない“球春”──。2020年シーズンはいつ開幕を迎えられるのか、もうしばらく我慢の時期は続きそうだ。



文=尾崎直也

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