「プロ野球1年生のきみへ」第7回:柘植世那
西武の担当スカウトから、今年のルーキーたちへ宛てた“手紙”を公開している「プロ野球1年生のきみへ」──。
各スカウトにとって、選手たちとは“我が子”のような存在。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、直接対話が出来ない状況が続くなか、各担当スカウトたちが選手に対して“いま伝えたい想い”を綴ろうと筆を執った。
第6回目の今回は、育成アマチュア担当の安達俊也スカウトから、ドラフト5位で指名された柘植世那(高崎健康福祉大高崎高-ホンダ鈴鹿)へ。プロ1年目の出だしをコロナ禍で過ごすルーキーに、いま伝えたい想いとは……?
安達スカウトから柘植世那へ
柘植世那くんへ
私がライオンズのスカウトになり担当になった1年目、平井を指名した年に健大高崎高校からHonda鈴鹿に入ってきたのがきみだったね。
当時は飯田(現オリックス・バファローズ)という捕手がいたから出場機会こそなかったけど、翌年グラウンドに行ってみると、ひとまわり大きくなったきみがいて、コーチからの推薦もあって今年は柘植でいこうと決めたんだ。
初めて試合をみたとき、インサイドワークや投手への声掛けなど捕手らしい捕手だなと印象を持ったのを覚えているよ。
打撃はまだまだだったけど、守備についてはすでに合格点だったし、野球は点を抑えることが大事だからね。
研究熱心なきみだから心配はしていないけど、ひとつアドバイスをするなら、たくさん時間のあるこの時期に相手打者の研究をしてほしいな。無事に開幕したときに生かせるような“バーチャル配球”でライバル達から一歩抜け出してくれたら。
おとなしい性格ではあるけど、グラウンドに出れば堂々と図太いところはプロ野球選手としてとても大事なことだから伸ばしてほしいと思っているよ。
キャンプ地でも先輩に溶け込んでいたし、心配はないな。
ライバルたちに危機感を与えられるような捕手に成長してください。
埼玉西武ライオンズ育成アマチュア担当・安達俊也(21年目/担当地区:東海・北陸)
☆主な担当選手:2017年源田壮亮選手