「プロ野球1年生のきみへ」第8回:上間永遠
西武の担当スカウトから、今年のルーキーたちへ宛てた“手紙”を公開している「プロ野球1年生のきみへ」──。
各スカウトにとって、選手たちとは“我が子”のような存在。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、直接対話が出来ない状況が続くなか、各担当スカウトたちが選手に対して“いま伝えたい想い”を綴ろうと筆を執った。
第7回目の今回は、育成アマチュア担当の安達俊也スカウトから、ドラフト7位で指名された上間永遠(柳ヶ浦高-徳島インディゴソックス)へ。プロ1年目の出だしをコロナ禍で過ごすルーキーに、いま伝えたい想いとは……?
鈴木スカウトから柘植世那へ
上間永遠くんへ
“有望株が入ってきたぞ!”と早い段階から噂を聞いていて、とても気になっていた存在だったね。
徳島インディゴソックス入団1年目の4月からしっかりローテーション入りしていたし、マウンドでの物怖じしない太々しい態度はとても高卒1年目とは思えなかったよ。
インコースも強気でいくし、打たれても平気な顔をしていて、滅多に見かけないタイプだから大したもんだなと感じたよ。
その時点でプロとの試合で十分に抑えられるものを持っていたし、投げ幅が広いからウェイトトレーニングで体が大きくなれば、さらにスピードが必ず上がってくるなと期待が持てたね。
どの球種でもストライクをとれるし、コントロールも良くて、指先まで感覚を持っているから頼もしいよ。
ただひとつ。どちらかというとマイペースで自主的な練習が少ない。キツイ練習には最後までついていく強い心はあるんだから、それがこれからは自主的にできるようになれば〝はなまる″をあげたいね。
最後に。独立リーグでプレーをしてきてNPBに入ったこと、その感謝を忘れずにがむしゃらに泥臭く野球をして欲しい。そして独立リーグからプロを目指す後輩たちのためにも全力で野球に向き合ってほしいと思っています。
埼玉西武ライオンズ育成アマチュア担当・鈴木敬洋(8年目/担当地区:独立リーグ・信越)
☆主な担当選手:2018年 伊藤翔投手