7日の試合は全3得点が根尾の打席で生まれた (C) Kyodo News

◆ まさに“ラッキーボーイ”

 中日がDeNAに3-1で競り勝ち、連敗を3でストップ。

 立役者となったのは、この日も「8番・左翼」で先発出場したプロ3年目の根尾昂だった。

 土曜日から0点・1点ときて、6日(火)の試合も3得点と、打線が苦しい中日。この日も結果的には3得点ではあったが、そのすべてに「根尾」が絡んだという不思議なゲームとなる。

 2回、相手先発・入江大生から二死一・二塁とチャンスを作り、この日最初の打席に入った根尾。1ボール・1ストライクとなって3球目へ…というところ、入江が一度プレートを踏んでから外さずにロジンバッグを手に取ろうとし、これがボークの判定。思わぬ形でチャンスが拡大する。

 そこからフルカウントとなり、迎えた6球目。根尾は低めのボールをなんとかバットに当てるも、三塁正面を突くゴロ。宮﨑敏郎がこれを捌いて一塁へ送るも、なんとこれが悪送球に。一気に走者2人が還るエラーとなって、中日に2点が転がり込んだ

 さらに2-0のまま迎えた5回裏には、先頭の木下拓哉が二塁打を放ち、無死二塁のチャンスで根尾が登場。1ストライクからの2球目を弾き返した打球は、セカンドの左を抜けていくセンターへの安打。木下が二塁から還り、これが貴重な追加点に。

 前の打席の2点は打点にならなかったが、今回は正真正銘の“打点1”。援護を受けた投手陣も、先発・勝野昌慶が走者を背負いながらもなんとか5回を無失点でしのぎ、あとは5投手のリレーでリードを死守。3-1で逃げ切り、連敗を3でストップした。

 7日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の谷沢健一氏は、この試合のポイントに「根尾の成長」を挙げる。

 特に目を引いたのが、適時打を放った2打席目。「初球にフルスイングでファウルになるんですけど、2球目には待ち方、タイミングの取り方を変えているんだよね。その辺が非常に成長しているなぁという感じがしますよね」と、打席中の“対応力”に着目。

 また、1打席目についても、「エラーの場面も、根尾の足が速いということで相手に焦りがあったかなと」と、全力疾走の脚力も評価。奮闘を続けるハタチの進化について語った。

☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』

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