ロッテ・茶谷健太

 「とにかく去年は初日から怪我をしてしまって、何もしていない状態が7月の中旬ぐらいまで続いたので、キャンプの初日に100%できるように思いながら毎日過ごしていました」。

 ロッテの茶谷健太は、昨年春季キャンプ初日に「右足ハムストリングスの肉離れ」で離脱し一軍に出場することなく2021年シーズン終え、2022年シーズンに向けて燃えていた。ロッテに移籍後、シーズンオフに体重を毎年増やしてきたが、今オフは「今年は増やさないようにし、体重を維持するような感じでやっていました」と88キロをキープし続けた。

 茶谷が主戦場にする三塁、遊撃はライバルが多い。

 藤岡裕大、エチェバリア、三木亮、安田尚憲、平沢大河、小川龍成、池田来翔…

 開幕前に熾烈な“三遊間”のレギュラー争いが繰り広げられた中で、茶谷はオープン戦で10試合に出場して、7打数0安打に終わり、開幕を二軍で迎えた。

 「結果を残すしかないと思って日々やっていました」。

 開幕から打ちまくった。3月23日の西武戦から26日のヤクルト戦にかけて3試合連続マルチ安打。3月23日の西武戦では、0-0の初回二死満塁から松本航が1ボール1ストライクから投じた真ん中の143キロストレートをセンター前に適時打、1-2の4回無死走者なしの第2打席、松本が2ボールから投じた3球目の131キロの真ん中カットボールをレフトへ本塁打と、真ん中にきた甘いボールを一発で仕留めた。

 26日のヤクルト戦でも0-1の2回一死走者なしの第1打席、1ボール1ストライクから吉田大喜が投じた3球目のインサイドやや真ん中寄りのスライダーを左中間に破る二塁打。茶谷の持ち味は早いカウントから積極的に打ちにいくこと、それに加えて今季は開幕から甘い球を仕留められる確率が高くなった。

 「今年ファームで結果を残している時は一発で仕留めることができていた。いい時はそういうのができている」。

 打撃フォームも「タイミングの取り方、バットを少し立たせるじゃないですけど、ヒッチを入れるように打つようにしています」と変更。

 追い込まれてからは「ピッチャーによってタイミングがあわないときにすり足にしたりするときもあります。それは、なんとかランナーを進めたりというのも目的であったりします。ランナーがいるときはランナーを進めるようにというのもありますし、追い込まれたらバットにあてて何かを前に転がせば何かが起こるかもしれない」との理由で、すり足気味で打つこともある。

 6月は14試合に出場して、月間打率は.412(51-21)、試合数を大きく上回る18打点。14試合中10試合で安打を放ち、そのうち複数安打は7試合、17日のヤクルト戦では1試合に4本の安打を放つ活躍で、6月21日に今季初昇格。

 一軍に昇格してからも、7月23日の日本ハム戦で自身初となる1試合3安打、3打点の活躍で試合後には初めてヒーローインタビューにも上がった。アピールを続けていたなかで7月27日に新型コロナウイルス陽性判定を受け離脱したが、8月9日に再昇格。12日の日本ハム戦でレフトスタンドにプロ初本塁打、14日の日本ハム戦では3安打。3安打はいずれも2ストライクと追い込まれての安打だった。

 早いカウントから仕掛けるだけでなく、14日の日本ハム戦のように、追い込まれてからも粘ることができている。「少し前はそういう感じで自分がやっていることができていた。ここ最近は三振が増えたりすることが増えたので、何か自分で気持ちを出してやっていかないといけないなと思っています」。

 14日の日本ハム戦で3安打したのを最後に14打席安打がない。その原因について「自分のなかであるのは体の開きが早くて、正直ピッチャーに対して打ちにいけていないというのが一番だと思います」と自己分析する。

 「明らかに体の開きが早いとか、自分でわかっているところをコーチの方々に聞いて、いろいろ削っていって元に戻せるようにと、思っています」。

 オールスター前、コロナから復帰後スタメンで出場していたが、24日の西武戦以降は小川龍成がショートで先発出場している。「悪い状態が続いているので、なんとか良い方向にもっていけるように。波をなくせるようにと思っています」。ロッテの若手選手は単発的に活躍をできる選手は増えてきたが、継続的に結果を残してレギュラーを掴んだと現時点でいえるのは茶谷と同学年でリーグトップの盗塁数を誇る髙部瑛斗のみ。

 レギュラーを取る選手は様々な壁を乗り越え、自身の力でポジションを掴んでいる。茶谷もロッテ入団後、結果を残して移籍1年目から育成選手ながらファームでレギュラーを掴み、同年オフに支配下選手となり、今回もファームできっちりと数字を残し一軍に昇格。一軍に上がってからも、バットで存在感を示し出場機会を得た。ハングリーさはある。1日も早く復調し、もう一度スタメンで出場する試合を増やしていきたい。

取材・文=岩下雄太

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