日本ハム・新庄監督(C)Kyodo News

 パ・リーグは西武が絶好調。17日に行われた日本ハムとの一戦を6-3で制し、5月以降では4年ぶりとなる首位に浮上した。

 西武は1年目の助っ人ワイナンスが来日初先発。3回に2点を与えたが、それ以外は要所を締める投球で6回を投げ切った。

 助っ人の好投を受けて味方打線も発奮し、7回に一挙4点を挙げて逆転。そのまま逃げ切って、ワイナンスにうれしいNPB初勝利が舞い込んだ。

 この試合で勝敗を分ける分岐点は幾つかあったが、ポイントの一つとなったのが5回表の西武の攻撃だった。

 0-2と追う立場の西武は、1死二塁で9番・滝澤夏央を迎えた。滝澤は北山亘基が投じた5球目のカーブを捉えたが、ファースト正面へのゴロ。清宮幸太郎が難なくさばき、1死三塁になると思われたが、北山のベースカバーがやや遅れセーフと判定。

 肉眼で見る限り、タイミングは微妙だったため、新庄監督がすかさずリクエストを要請したが、検証後の判定は変わらずセーフのまま。SNSではこれが大きな波紋を呼んでいる。

 というのも、肉眼では確かに際どく見えたものの、スローで見ると北山の足が先にベースについているようにも映った。球場内にもスロー映像が何度も流され、それを見た両軍の選手も、両サイドのファンも“判定は覆るだろう”と思ったに違いない。

 実際、長い検証の末、審判が改めてセーフのジェスチャーを示すと、一塁に残っていた滝澤ですらやや驚く素振りを見せたほどだ。新庄監督はじめ日本ハム側があっけにとられたのは言うまでもない。

 SNSなどでは、「どう見てもアウト」「素人が見ても分かるレベル」などブーイング一色。中には「リプレーセンターの検証を求む」と、最終判断を下したリプレーセンターを皮肉るコメントもあった。

 さらに、「リプレーセンターと通じなかったか、それともインカムが壊れていて使えなかったから、現場の判定が尊重されたのでは」と邪推する声まで聞かれた。

 リプレーセンターとは、各球場でのリクエスト判定を一括して映像で検証するため、今季からNPBが本格運用を始めた中央判定拠点のこと。都内のNPB内に一軍クラスの審判2人と機材を操作するオペレーター1人が配置され、6台のモニターで各試合を視聴し、リクエストがあれば、映像を検証して最終判断を下しているという。

 実はこの日のプロ野球は、セパ両リーグで6試合が同時進行中で、どうやらほぼ同じ時間帯に他球場でもリプレー検証のリクエストがあったようだ。検証にかなりの時間を要していたのはそれも一因だったかもしれないが、一方で通信など何かしらの問題が発生していた可能性も否めない。

 今季からスタートし、まだ手探りの段階であるが、ある意味でブラックボックス化しているリプレーセンター。6試合に対してモニター6台が適性なのか、そしてリプレーセンターでは誰が判定を下しているかなど、これを機にさらなる透明化が求められるのではないだろうか。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

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この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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