ロッテ・益田直也が通算250セーブを達成した8月4日――。勝利を決定づける一打、派手なプレーをしたわけではないが、ロッテ・愛斗は間違いなく勝利に大きく貢献した。
愛斗は同日の西武戦、『8番・センター』で7月26日のオリックス戦以来のスタメン出場を果たした。2点を追う2回、ロッテは西武先発・平良海馬から先頭の上田希由翔が四球、小川龍成のバント安打で無死一、二塁のチャンスを作る。ここで打席には愛斗。
「結果的に昨日(8月4日)5点入りましたけど、ピッチャーが平良でそんなにチャンスを作れるピッチャーではない。12球団を見てもトップクラスで良いピッチャーなので、チャンスを作れる機会が少ないと思った。1回(の攻撃)もチャンスで点が入らなくてというのがあった。平良でチャンスを作るのは、ラストチャンスくらいのイメージだったので、なんとしてでも点を取れるような展開にしたいという気持ちでした」
愛斗は「サインはバントじゃなかったので、じゃあ今自分が何できると考えて進塁打が自分の中では正解というか、一番やった方がいいことだなと思いました。ヒットを打つよりも後ろに繋げる。一死二、三塁で山﨑さんが9番にいて、繋がっていけば(藤原)恭大、(西川)史礁といるので、そこに繋げた方が対平良としてはいいなと思ったので、そういう選択を取りました」と、平良が3ボール2ストライクから投じた6球目のストレートを一、二塁間へのセカンドゴロで一塁走者・小川、二塁走者・上田をそれぞれ進めた。
愛斗は長打にこだわり取り組んできた中で、チャンスで回ってきた打席、久々のスタメンで結果を残したい思いは当然強かったはず。それでも、チームが得点に繋がる方法を選択した。
「本当にヒットを打つだけ、ホームランを打つだけではないとずっと言っているので、打つだけじゃない。チーム打撃もしなきゃいけないし、バントだったり、エンドランだったり、盗塁もしなきゃいけないし、守備もしっかり守らないといけないのが野球だと思っています。個々で戦っていって勝てるピッチャーではない。それは若い子が出ていて、ロッテ歴でいうと一番僕が短いんですけど、プロ野球でやっている年数は僕の方が長いので、余裕を持ってチームのことをやったという感じです」
続く山﨑剛が空振り三振に倒れたが、1番・藤原恭大がきっちりとライト前に同点の適時打を放ち、愛斗の進塁打が得点に繋がった。
5-2の3回二死走者なしの第2打席、平良が1ストライクから投じたスイーパーをセンター前にポトリと落ちる安打で出塁すると、続く山﨑の打席中、無警戒だった平良の隙を見逃さず二塁盗塁を決めた。
「走塁も1個先に行けばバッターも楽に立てることもあるので、それが一塁から二塁だけじゃなく、二塁から三塁だったり、三塁からホームだったり常に相手の隙を狙っていくのが走塁。そこが昨日(8月4日)はいい形で出たなという感じです」
守っても、5-3の8回無死一塁で林安可の左中間に放った打球をフェンス際、左腕を目一杯伸ばしてキャッチする好プレイ。
「平良の時に5点も取れた。なんとしても勝たなきゃいけないゲームだったので、先頭バッターが出た中でのノーアウト一塁の場面だった。なんとしてでも捕らないと。ノーアウト二、三塁だと2点入る確率が高くなる。そこはもう気持ちを入れて、バッティングはバッティング、走塁は走塁、守備は守備だと思っているので、あの時は守備だったので守備のことを考えて、一歩目を早くきれた。ああいういい形で捕れたんじゃないかなと思います」
外野の守備力は非常に高く、1つ先を狙う走塁、送りバントも上手く、チームにとって欠かせないピースだ。5日の西武戦は無安打だったが、4日の試合では2安打するなど、バッティングでの貢献も増えてきた。試合に出れば、出れば出るほど良さを発揮している。
「夏は得意な方なので、自分の体調管理をしっかりしながら、自分のやるべきことをやり続けたいなと思います」。この夏もブレずに、自分に矢印を向けて、チームに貢献できることを何かを常に考えプレーしていく。
取材・文=岩下雄太